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zoom RSS ☆「潜水服は蝶の夢を見る」メモ

<<   作成日時 : 2008/04/06 17:45   >>

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画像
LE SCAPHANDRE ET LE PAPILLON
Scaphandre et le papillon, Le
製作年度/ 2007年
製作国/ フランス,アメリカ
上映時間/ 112分
監督/ ジュリアン・シュナーベル
製作総指揮/ ジム・レムリー 、ピエール・グルンステイン
原作/ ジャン=ドミニク・ボビー
脚本/ ロナルド・ハーウッド
音楽/ ポール・カンテロン
出演/ マチュー・アマルリック,エマニュエル・セニエ,マリ=ジョゼ・クローズ,アンヌ・コンシニ,オラツ・ロペス・ヘルメンディア,ジャン=ピエール・カッセル,エマ・ドゥ・コーヌ,マリナ・ハンズ,マックス・フォン・シドー
【映画館】
++++++++++
3月中に劇場鑑賞したもう1本は「潜水服は蝶の夢を見る」というちょっと洒落たタイトルの作品でした.だいぶぼやけてきた記憶をたどりながら書き留めてみました.

ふと気づき,あたりを見回すとそこは病室らしい.
あわただしく動きまわる医師と看護士たち.看護師に呼ばれてやってきた主治医は,彼が脳梗塞で倒れ,ロックド・イン・シンドロームの状態であることを一方的に告げる.
彼は主治医に話しかけるのだが,それは伝わらない.また身体もまったく動かすことができない.どうやら唯一動くのは左目だけのようだ.

意識がだいぶはっきりしてきた.
自分は雑誌ELLEの編集長で,名前はジャン=ドミニク・ボビー.42歳の働き盛りで,ファッション関係の仕事に明け暮れる日々を送っていた.三人の子供がいて,それから子供たちの母親と暮らしていたはずだ.しかし,仕事のみならず,女性関係も派手で,結講,華やかで充実した生活を送っていた.
そういえば,ここの看護師たちは美人で,彼女たちが左目を覗き込んでくると,胸元が視界に入ってきて,なかなか良い眺めだ.
それはさておき,自分はまるで潜水服に閉じ込められているようだ.目を覚ます前の自分とはえらくかけ離れてしまった.自分のこれまでの人生は砕け散ってしまったのだろうか.このまま,人と会話することもなく,左目だけで生きていくのだろうか・・・

ロックド・イン・シンドローム(閉じ込め症候群)とは,無動,無言であるが,意識は鮮明であり,随意的な眼球運動や瞬きが保たれている状態.極めて稀な症例であり,脳梗塞の症状としては最も重度のものと分類されているようです.

瞬き一回は“はい”,瞬き二回は“いいえ”.
たった二つの内容しか表現できなかったが,それでも言語療法士から教わって,はじめてジャンが掴んだ交信手段.
「E.S.R.I.N・・・」これはアルファベットを頻度順に並べたもの.
やがてジャンは,これを読んでもらい,使いたいアルファベットで瞬きをし,単語が完了したら2回の瞬きをする.そうやって1つずつアルファベットを瞬きで選んでいき,単語を作り,そして文章を作り,他の人との交信が可能になった.
しかし,文章を作るためには延々と瞬きしなければならなかったし,ジャンと瞬きをとおして会話する相手も辛抱強くつきあわなければならない.
当初は,死にたいと考えたジャンだったが,自分の記憶と想像力をよりどころにし,自伝を書くことを決意する.そして,20万回以上にも及ぶ瞬きと,蝶のように記憶と想像の世界を舞うことにより自伝を書き上げた.

「潜水服は蝶の夢を見る」は,そんなジャン=ドミニク・ボビーの自伝を映画化したもの.監督はジュリアン・シュナーベル.マチュー・アマルリックが主人公のジャンを演じている.
実にフランス的.少なくとも自分にはそう思えた作品だった.
監督のジュリアン・シュナーベルはアメリカ人で,批判もかなりあるものの,画家として名声を勝ち得た人物.彼は,舞台を原作に合わせフランスにし,フランス語で作品を作り上げた.内容がとてもフランス人的であると感じたからに違いない.
皮肉とユーモアが散りばめられ,非常に悲しい話であるにも関わらず,観ている間はそんなことを忘れてしまう.そこには自分の感傷に溺れないフランス人気質があるからかもしれない.

彼の視点,心の呟きを通して描かれた彼の現状と彼の断片的な記憶や妄想の世界が行き来する.家族への思い,子供たちの母への正直な思い,恋人と旅をした記憶.そして,父親との関わり合い等々.あるいは歴史上の女性ウジェニーとのキス,美女とのちょっとエロティックな食事風景.彼は想像の世界では何でも出来た.彼のどこまでも女性好きなところが人間臭く,ユーモラスだった.

はじめのうち,ジャンの左目から見た視野の狭い映像が続く.ときには彼の左目を覗き込む人々の顔が極端にクローズアップされたり,ぼやけたり,フレームからはずれたりする.しかし,それほど見づらさは感じない.その後,瞬きによるコミュニケーションがスムーズになると,視野も広がり,また三人称の通常の視点の映像も増えてくる.ヤヌス・カミンスキーの手による自由自在な映像には舞台となる南仏の風景も美しく描きこまれていた.特に,父の日に,三人の子供たちとその母親と出かけた海辺のシーンは素晴らしかった.

鑑賞後の後味も良い佳作です.自分の人生を見つめ直してみたくなる作品でした.しかし,日を追うごとにそんな想いが薄らいでいき,すぐに日々の生活に流されてしまう自分がちょっと情けなかったりして・・・

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コメント(18件)

内 容 ニックネーム/日時
この映画テレビでやっていましたよ♪
解説ですが・・
でもたぶん感動する映画だし・
実在の人物だったと思っていました・
あらすじだけを聞いただけで・・半分泣けてしまいそうです・
自分がこうなったらどうするか・・
考えますね♪
友人も何年か前に倒れたのに・・
今は元通りに戻っていますよ・
後遺症も無かったんですよ。人間って不思議です・・
今・散歩チューです♪
スー
2008/04/06 21:33
スーさん
あの〜・・・
>たぶん感動する映画だし・
いわゆる邦画のお涙頂戴映画とは違う作品です.

>実在の人物だったと思っていました・
実在の人物です・・・

>今は元通りに戻っていますよ・
どこが詰まったか,そして倒れてから治療を受けるまでの時間によって,回復がだいぶことなるのではないでしょうか.ジャンは重度の脳梗塞だったようです.
3週間程度,意識不明の状態が続いたようですよっ・・・
しゅー
2008/04/07 12:47
ああ、これ見たいと思っていた映画です。
単館なのでちょっと見に行くのは無理そうですが…。

>いわゆる邦画のお涙頂戴映画とは違う作品です
“難病もの”は大嫌いなので、そう聞いて安心しました。
楽しみにDVDになるのを待ちましょう (^^)
タラララ
2008/04/07 14:03
しゅーさん、ご無沙汰しています(^^)久々にお邪魔致します。
この映画の事は新聞で読みました。その時脳梗塞の症状に「閉じ込め症候群」という状態があるという事を初めて知ったのですが、映画が実話とは知らなかったです。自伝を書かれた方のその意欲に感動しています!ぱっと見て思ったのですが、ポスターがとても素敵だと思いました。
炒りたまご
2008/04/07 17:11
タラララさん
>ああ、これ見たいと思っていた映画です。
映像と雰囲気で見せる作品でした.
特に,海辺のシーンが良かったですよっ!!
あ,それから,ジャンが美人と二人での食事を夢見るシーンも良かったかな〜(^o^)

>“難病もの”は大嫌い・・・
そーなんですか〜.知りませんでした・・・
自分は,みのりさんが気に入っていた,「明日の記憶」は見たいと思っている作品のひとつです!
しゅー
2008/04/08 01:29
炒りたまごさん
>ロックド・イン・シンドローム・・・閉じ込め症候群
自分ははじめ病名かと思ってしまいました・・・ぽりぽり(^^);

>自伝を書かれた方のその意欲・・・
自伝を書くことによって,自己を見つめなおすとともに,生きる糧を得たのだと思います.
記憶と想像・・・人であることの証・・・
ロックド・イン・シンドロームになった人が,何を感じ,何を考えたか・・・当然,個人差はあると思いますが,非常に貴重な記録(自伝)ではないでしょうか・・・(・・?)

>ポスターがとても素敵・・・
はい.映像もとても素敵でした(^^)v
しゅー
2008/04/08 01:42
見に行くつもりだったのにいけませんでした。と思ったら日曜に関内の古い映画館でやってるのを見かけました。でも、やっぱり見に行けません。(ーー;)
HOSHIO
2008/04/09 00:58
HOSHIOさん
>やっぱり見に行けません。(ーー;)
この作品は良かったですよ〜♪
人気者のHOSHIOさんの間は時間を作るのも一苦労ですね・・・当分の間は,そうゆう状況が続くのでしょうか・・・(・・?)
人気がなくなるまでは我慢ですねっ!!
しゅー
2008/04/10 01:00
この映画とタイトルは、まったく関係ないですが。
覗いたので、米します。よろしいでしょうか?
仕事が夜勤仕事で、休憩が深夜の午前2時頃になりことが多いのですが、そんな時テレビをみると、懐かしい洋画やってます。
で、そんな洋画を好く見ていますけど、タイトルわすれました。
たしか、私に好く似た風貌のジャック・ニコルソンでてました、ついつい見入って仮眠できませんでしたが・・・
mick
2008/04/11 15:49
mickさん
>私に好く似た風貌のジャック・ニコルソンでてました
「カッコーの巣の上で」「チャイナタウン」あるいは「シャイニング」「バッドマン」だったりして・・・
しかし,mickさんは,いつからジャック・ニコルソン似になったのですか・・・(・・?)
確かミック・ジャガー似だったのでは・・・だいぶ,両者では違いがあると思うのですが・・・
個人的には,mickさんは,高橋悦史似ではないかと想像しています・・・♪
しゅー
2008/04/11 18:43
mickさんは「ピーター・フォンダ・スケベ」
だったんじゃないんですか?
ジャック・ニコルソン?ミック・ジャガー??
高橋悦史・この人は・・少し納得♪

しゅーさん・5日ブリブリ〜〜〜♪
パソコンと格闘チュー♪です・・・
スー
2008/04/11 20:27
スーさん
mickさんがピーター・フォンダ・・・タイプというのは,もうかれこれ3年の付き合いになりますが,初めて聞きました・・・ふ〜ん・・・
ピーター・フォンダのイメージが・・・あっ,こりゃ,mickさん,失礼・・・!!
しゅー
2008/04/12 20:26
アハハハ♪
不良っぽいところかな?。。雰囲気的にね♪
しゅーさんも今考えてますよ・イメージ♪
なんとなくですけどね♪
話変わりますが・しゅーさんはジェリー・ルイスの
映画知ってます?かれこれ40年位前から・ファンなので・・
大好きな俳優さんなのですが・・ビデオ屋さんには無いんですよ・
古すぎて・・後一回観たいんですがね〜〜
しゅーさん・・・知らないかも・・
スー
2008/04/13 11:14
スーさん
>ジェリー・ルイスの映画知ってます?
底抜けシリーズ・・・昔,TVでよく放映されていましたよね.
内容はほとんど覚えていないのですが,楽しんで見ていました!!
“艦隊”,“西部へ行く”,“一等兵”,“替え玉戦術“そして”大学教授“あたりのタイトルが多少記憶に残っています.
前の2つは,ディーン・マーティンとの共演,あとは,ジェリー・ルイス単独です.
そのうち,“大学教授”はエディー・マーフィー主演“ナッティ・プロフェッサー”としてリメイクされたので,DVDも発売されているようですよっ♪
しゅー
2008/04/13 14:33
半ば意地で見てきました。監督がアメリカ人とは思えない繊細な映画でした。僕は二人目の療法士のおねーさんにリハビリしてもらいたいです。
HOSHIO
2008/04/15 03:01
HOSHIOさん
>半ば意地で見てきました。
これからは,意地でみる状態が続くのでしょうね・・・ファイト〜・・・!!

>僕は二人目の療法士のおねーさんにリハビリしてもらいたいです。
えっ,二人目の療法士のおねーさんだけで良いのですか・・・謙虚ですねっ(・・?)
自分は,どうせなら,この映画に出てくる全ての女性に囲まれてリハビリをしたいですね・・・(^o^)
しゅー
2008/04/15 18:51
実は好みでないおねーさんが二人ほど・・・

ところで、○○とマリアのランプ売ってたおっさんが同一人物だということなのですが気付いてました?(あ、例の物件は5月6日9時だそうです)
HOSHIO
2008/04/16 02:00
HOSHIOさん
>ジャン=ピエール・カッセル・・・
この作品が遺作になったようですね.
映画鑑賞後,2役を演じていたことは知りました.

>好みでないおねーさんが二人・・・
もしかして,ルルドに一緒に行った女性と・・・それから,代筆をした女性かな・・・(・・?)
しゅー
2008/04/16 12:50

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