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zoom RSS ☆「ザ・マジックアワー」メモ

<<   作成日時 : 2008/07/27 18:32   >>

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The Magic Hour
製作年度/ 2008年
製作国/ 日本
上映時間/ 136分
監督/ 三谷幸喜
製作総指揮/ −
原作/ −
脚本/ 三谷幸喜
音楽/ 荻野清子
出演/ 佐藤浩市,妻夫木聡,深津絵里,綾瀬はるか,西田敏行,小日向文世,寺島進,戸田恵子,伊吹吾郎,柳澤愼一,香川照之
【映画館】
++++++++++
ここのところ三谷幸喜の作品は何となく敬遠していました.しかし,この「ザ・マジックアワー」は,TVの宣伝を観て,彼の作品というよりも,今は亡き深作欣二の「蒲田行進曲」のテイストを感じて,見たくなった作品でした.

舞台は二つのギャング(ヤクザ)が対立する港町・守加護.
町のクラブ「赤い靴」の支配人ビンゴ(備後)は,天塩商会の看板を掲げる地元ギャングの構成員.なのに,こともあろうにボスの愛人マリに手を出してしまう.
もちろん,そのことはボスの知るところとなり,彼の命は風前の灯.5日以内に,ボスが探していた伝説の殺し屋“デラ富樫”を連れてくると約束して,何とか命が繋がった.
けれども,デラ富樫の居場所どころかどんな人物かも皆目見当のつかないビンゴ.期日が迫ったとき,彼は売れない俳優をデラ富樫に仕立て上げることを思いつく.そんな彼のターゲットになったのはあくの強い芝居をする無名の俳優・村田大樹.主演映画を撮りたいというビンゴの誘いに,村田は乗り気で港町・守加護に乗り込んでくるのですが・・・

映画で“デラ富樫”を演じていると信じて疑わない村田と,そんな村田を“デラ富樫”だと思い込むギャングたちとの“すれ違い”がこの映画の見所.そして,その間で右往左往しながらも,気づかれないように両者の間で辻褄合わせをするビンゴ.
この作品のアイディアは実に面白い.
特に,ボスとの初対面で,村田が自己紹介をする姿は,可笑しくて,息が止まるかとおもったほど.映画館でこれほど笑ったのは久しく記憶にない.
村田を演じた佐藤浩市のオーバーな演技とそれを受けるボス役の西田敏行の抑えた演技のバランスが絶妙.大笑いするだけでなくハラハラさも同居する.それが映画の中ほどのシークエンスとして登場する.その後も,事実を知らぬままにヤクザの抗争に巻き込まれる村田.本物の弾丸も,芝居の小道具だと思っているから怖くない.

しかし,このアイデアを上手く収束させるのは至難の業だったかもしれない.
中盤の盛り上がりを維持させつつ,ストーリーを展開させようとしているものの,かなり苦労した後が伺える.終盤は,努力は認めるものの,かなりストーリーに無理を感じた.面白いアイディアを考えつくのも難しいことだけど,それを上手く収束させるのはもっと難しいことなのですね.

村田を騙すビンゴ役の妻夫木聡と村田を演じた佐藤浩市がこの映画の主役.そんな二人にボスの愛人・深津絵里,ギャングのボス・西田敏行,その右腕の寺島進,クラブ「赤い靴」のマダム・戸田恵子,バーテン・伊吹吾郎らが絡む.
妻夫木聡は,命を繋ぐために一生懸命の若いヤクザをコミカルに演じていた.佐藤浩市は,これまでにも様々な役柄をこなして来たが,この作品のように喜劇に徹した主人公を演じたのはおそらく初めて.彼のこれまでにない怪演は,小ネタの冴える三谷作品の殻を突き破る原動力になっていた.
愛人マリ役の深津絵里とバーテンの伊吹吾郎は,それぞれミスマッチな配役だったが,その意外さがこの作品に妙なコミカルさを与えていた.

本作には,三谷幸喜が愛するかつての名作をオマージュした劇中映画や映画の撮影現場の風景が挿入されていた.中井貴一,唐沢寿明,鈴木京香,天海祐希ら主演級の豪華な顔ぶれがワンポイントで登場する.劇中で映画のメガホンをとるのは故市川崑監督.映画のタイトルは「黒い十人の女」ならぬ「黒い101人の女」という映画.本作が彼の最後の出演作となったのですね.この映画ではとても元気そうに見えたのですが.

映画に係る人たちの情熱を三谷流に描いたコミカルな作品というのがこの作品に対する自分の印象.タイトルの“マジックアワー”とは太陽が沈み,空が暗くなるまでの僅かな時間を意味する言葉とか.三流役者・村田の一瞬の輝きだけでなく,大道具,小道具,美術に係る裏方たちの姿にもスポット・ライトをあて,きっと,そういう人々の姿がタイトルの“マジック・アワー”なのでしょうね.最近,邦画にありがちな変に教訓染みていないところも好印象に繋がっているかなっ・・・


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コメント(13件)

内 容 ニックネーム/日時
これ映画を描いた作品だったんですね。
てっきりフィルム・ノワールの喜劇版かと思っていました。
三谷さん、世評ほど自分は評価していないのですが、これならちょっと見てみたいかも…。
でも劇場まで行く気にはならないので、DVDになるのを待ちます (^^;;
タラララ
2008/07/28 12:05
>てっきりフィルム・ノワールの喜劇版・・・
どちらかといえば,つかこうへいの蒲田行進曲の世界です!!

>三谷さん、世評ほど自分は評価していないのですが・・・
自分はタラララさん以上に三谷幸喜作品が苦手でしたが,この作品はOKでしたよ♪
しゅー
2008/07/28 21:43
こんにちは
三谷さんの映画は細かいとこまで面白いですよね。
一回見ただけだと見落としちゃったりしてること一杯ありそうです。
劇場は行けそうにないのですが、絶対観ます!
タ〜コ
2008/07/30 16:01
タ〜コさん
>三谷さんの映画は細かいとこまで面白いですよね
三谷作品というと,作品全体に小ネタを散りばめて笑いを呼ぶイメージがあったのですが,この作品では大ネタで笑わせてもらいました♪
といっても,三谷幸喜の脚本というより,佐藤浩市の怪演によるところが大きいと思いますが・・・(^o^)

是非,ご覧になってください!!
しゅー
2008/07/31 01:05
しゅーさんの記事を読んで、わたしも「蒲田行進曲」を連想しました。 それにしてもずいぶんと豪華な出演者ですね。
みのり
2008/08/03 22:18
みのりさん
>ずいぶんと豪華な出演者ですね。
本当にスポット役で,よくこれだけの俳優さんが出演したと思います.
これも,三谷マジックなのかもしれません!!
そのほかにも,柳澤愼一,香川照之,市川亀治郎,谷原章介&寺脇康文の顔がありました.

DVDが出たら佐藤浩市の怪演を是非お楽しみください♪
しゅー
2008/08/04 12:40
佐藤浩市さんは、だんだんお父さんに似てきたのかな? なかなか芸達者ですね。 
柳澤愼一さんてかなりお年の方ですか? 十朱幸代さんのお友達だった人かな〜。
みのり
2008/08/05 19:52
しゅーさん、全然違うこと書いてしまいました。 十朱幸代さんは間違いでした。 でも昔の人ですか? 最近見てなかったような気がします。 
みのり
2008/08/06 12:28
みのりさん
>柳澤愼一・・・
50年代にはジャズ歌手として活躍されていた方です.
俳優,声優でも結構活躍されていたようですね.
十朱さんではなく,池内さんの元夫でもあるようですよ.
非常に,柔らかな良い感じの方でした!!


しゅー
2008/08/06 12:36
最近は、映画館にあしを運ばんようになった。
娘は、相変わらずコンスタントに映画見てますね。
この映画も観たのかな?観るのかな?
三谷幸喜の作品好きなみたいです。
佐藤浩市さん、いい味だしてますね。
柳澤愼一さんは、昔、池内淳子さんの旦那でしたね。
声優のイメージしかないですが・・・
mick
2008/08/06 18:29
mickさん
どうも,ご無沙汰です・・・

>佐藤浩市さん、いい味だしてますね。
いつもの佐藤浩市も良いのですが,この映画の彼の怪演はこれまでにない佐藤浩市でした♪
彼の演技で,三谷作品はこれまでよりパワーアップした感があります!!

>柳澤愼一さん・・・声優のイメージ
奥様は魔女のダーリンも柳澤愼一だとか・・・かなり有名な俳優さんのようですが,自分はほとんど知りませんでした(^^);
しゅー
2008/08/07 12:26
昨夜、DVDで見ました。
市川監督の映画が「黒い101人の女」という設定だということは、劇中では語られていませんでしたよね。
“101人”なのであんなに黒服の女性がいたんですね (^^)
そのあたりも含めて、こちらの記事を大いに参考にさせて頂きました。
事後承諾になりますが、よろしくお願いします m(_ _)m
タラララ
2008/12/04 18:22
タラララさん
>市川監督の映画が「黒い101人の女」という設定・・・劇中では語られていない・・・
あれっ,そうでしたっけ・・・(^^);
でも,映画の名称は「黒い101人の女」に間違いないです!!
自分は,劇場で観るときはかならずパンフレットを購入しているのですが・・・その中で,三谷幸喜の言葉として「黒い101人の女」と書かれていましたから・・・(^o^)
気に入っていただけたようですね♪
これからイベントに出かけてしまうので,また,後でタラララさんちへはお邪魔したいと思います!!
しゅー
2008/12/05 12:12

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