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zoom RSS ★「スカイ・クロラ The Sky Crawlers」メモ

<<   作成日時 : 2008/08/31 12:36   >>

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THE SKY CRAWLERS
製作年度/ 2008年
製作国/ 日本
上映時間/ 121分
監督/ 押井守
製作総指揮/ −
原作/ 森博嗣
脚本/ 伊藤ちひろ
音楽/ 川井憲次
声の出演/ 菊地凛子,加瀬亮,谷原章介,竹中直人,榊原良子,栗山千明,兵藤まこ,ひし美ゆり子
【映画館】
++++++++++
森博嗣原作の“スカイ・クロラ”シリーズの一作目「スカイ・クロラ The Sky Crawlers」ををもとにアニメ化したもの.監督はウォシャウスキー兄弟等に多大の影響を与えた「GHOST IN THE SHELL/攻殻機動隊」の押井守.彼の4年ぶりのアニメ作品です.

舞台は別の形で発展を遂げたパラレル・ワールド.もうひとつの地球の現代.
レシプロ機同士の目まぐるしい空中戦が画面に映し出される.
そして,戦闘を終えて一人のパイロットが兎離州(ウリス)基地に降り立った.彼の名前は函南優一(ユーイチ).18歳ぐらいと思われる.
もう一つの地球には“キルドレ”と呼ばれる若者たちがいた.ユーイチもその一人.彼らは思春期になると成長するのをやめる.それ以上,永遠に歳をとらず,大人にはならない.そのせいか,彼らは日常生活に生きている実感が持てない.彼らは,空に舞い上がり,命をかけた戦闘を繰り広げることで,生きていることを実感する.

もう一つの地球では,民族間,宗教間あるいは覇権を握るための侵略戦争は存在しない.その変わり,人々が平和の意味を認識するために提供されるショーとしての戦争が行われている.そこで,戦う戦士たちはユーイチら“キルドレ”たち.

ユーイチには過去の記憶はなかった.しかし,戦闘機の操縦の仕方は覚えいてる.
彼が新しく配属されたウリス基地の司令官は草薙水素(スイト)という女性.かつて,パイロットとして活躍したキルドレ.スイトはユーイチの姿を複雑な眼差しで見つめる.
同僚たちはユーイチを見て意味ありげな表情を浮かべるが,それ以上,何も語ろうとしない.
彼にとって基地もスイトに会うのも初めてのはずだった.しかし,基地やスイトを懐かしく思い,与えられた戦闘機に彼の体は馴染んでいた.そのデジャブ感を不思議に思いながら,次第にスイトに惹かれていくユーイチでしたが・・・

実験的な要素が目立つアニメーション.
実写を思わせる3D-CGとこれまでの平面的な2Dアニメの組み合わせには驚くほど神経が払われ,そのバランスは絶妙だった.
3D-CGで描かれるレシプロ機や重爆撃機.それらが空と雲を背景にして空中戦や編隊を組み空を飛ぶシーンは,アニメとは思えぬほど緻密であり迫力があった.構図も素晴らしい.映像とともに飛び込んでくる効果音は映像に臨場感を与え,河合憲次による音楽も映像にとても良くマッチしていた.だたし,カット割の細かさは,じっくり映像を堪能するのを阻害しているように感じた.
作品に登場する人物は,比較的単純なラインで表現し,3D-CGとのコントラストを際立たせていた.さらに,人物を生き生きと描くのではなく,精気のない人形のように描くことにより,作品全体に切なさを漂わせる演出もそれなりに上手く機能していた.

“キルドレ”の誕生,ユーイチの前任者のこと,登場人物の見せる仕草など明らかにされない謎を残すことで物語の興味を引っ張るものの,それでもユーイチとスイトを中心に展開する物語やエピソードには面白みがなく,非常に物足りなさを覚えた.登場する人物たちのキャラクターにもあまり魅力を感じなかった.さらに,この作品に出てくる喫茶店のマスターら大人たちの描写は,上辺だけの雰囲気しかなく,作品全体を薄っぺらなものにしていた.もっと大人たちをしっかりと描いていれば,もう少しエンターテインメント性の高い作品になったかもしれない.

主人公たちの会話の形をとった二十歳前後の若者に向けられたメッセージ.
社会人になることを拒絶する現代の若者と位置づけられる“キルドレ”たちの姿.
それらは,今に始まったことではない.自分の二十歳前後の頃,当時の若者は“モナトリアム人間”と称された.そして“アイデンティティの欠如”が指摘された.精神分析学者である小此木啓吾の「モラトリアム人間の時代」が評判になり,それを斜め読みした記憶がある.当時との大きな相違は,レシプロ機の戦闘から連想されるリアルなバーチャル世界が存在し,現在はそれらが強力なバリアーになっている点でしょうか.

3D-CGの登場により,今後,実写とアニメの境界がますます不明確になっていくのでしょうね.そういう状況を先取りして,アニメの可能性を模索した作品という印象です.とても一般受けするような娯楽作品ではないのに,その割りに登場人物の声のキャストは豪華.スイトは「バベル」で話題となった菊池凛子,ユーイチは加瀬亮.その他にも,谷原章介,竹中直人,栗山千明などの俳優が名を連ねています.さらに,ひし美ゆり子が起用されていたりして,いろんな意味でマニアの間でカルト化する作品かもしれませんねっ・・・


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コメント(13件)

内 容 ニックネーム/日時
押井監督は「アヴァロン」(これはイマイチ)しか見たことがありませんが、このアニメ、ちょっと気になっていました。
内容はやっぱり若者向けなんでしょうか (・_・?)
年寄りでも楽しめそうなら、ひし美ゆり子さんも出ていますし、見てみようかな…と。
あっ、もちろんレンタルまで待ちますけど (^^;;
タラララ
2008/08/31 14:02
タラララさん
>年寄りでも楽しめそうなら・・・
う〜ん,なかなか難しいかもしれませんね・・・(^^);
映像的にはとても面白いのですが,内容は二十歳前後の人たちにターゲットを絞った内容でした・・・もう少し,遊び感覚が欲しかったです・・・

>ひし美ゆり子さんも・・・
書きながら,タラララさんとHOSHIOさんが頭に浮かびました・・・(^o^)
しゅー
2008/08/31 20:54
押井監督の作品て、じっくり観ないと分かりにくいように思うのですが、これもそんな感じみたいですね。 しゅうさんの記事の写真を見ると、アニメといってもかなり写実っぽい感じですね。
みのり
2008/09/01 01:00
みのりさん
>じっくり観ないと分かりにくいように思うのですが・・・
この作品はそんな難解な作品ではないと思います.
かなり,主張がストレートで逆に戸惑いを覚えました・・・(^^);

>アニメといってもかなり写実っぽい感じですね。
映像は非常に緻密でとても拘りが感じられる作品でした♪
しゅー
2008/09/01 13:05
こんばんは
クロラ 8月上旬に観に行きました。
すぐに観ないと 見逃してしまいそうで不安になって...笑
モンゴルの二の舞は踏みません(^▽^)
先に小説を読んでと思っていましたが
そんなことしていたら...。

小説の中では飛行機海苔絡みの会話が好きだったので その描写に期待して行ったのですが...映画化されたら 飛ばされてました まあ ありがち君ですが 笑。
会話や細かい描写を楽しみたければ本。
スピード感や広さや奥行きを感じたかったら映画ですね。
私の行ったところは入替え制ではなかったので 続けてもう一度観ればよかったと後悔しました。
emiya
2008/09/01 21:07
原作の小説はシリーズ化されているので
この映画はその中の一部を切り取って表現したもので 自分の中では全部を読まないと終われない気がしました。
最初の“スカイクロラ”をまだ読み終わっていませんが 残りの数冊を買ってしまいました。
戦闘要員はキルドレなのに 敵の会社に行ってしまった“ティーチャー”は大人の男と言う設定にされているのは何故か?とか...笑。
言い換えれば この映画は手間隙かけて作られたプロモーション映画かな...と。

人がしゃべる時の口の動き細かさとか 戦闘機が敵を打つ時発射した弾の薬莢?が無数に散らばっていくところとか...観ていてドキドキしてしまいました。

空中で彼に出会ったら 生きては還れない... 
emiya
2008/09/01 21:23
emiyaさん,お久しぶり♪
元某N大学建築系の先生だった森博嗣の小説.彼にとって“キルドレ”は学生を見ていて得られたアイディアかもしれませんね.
自分は未見ですが,透明感のある散文のような小説らしいですね.
押井監督のメッセージ性とは,別なところに主題があるのでは・・・と思っています(・・?)

>戦闘機が敵を打つ時発射した弾の薬莢が無数に散らばっていく・・・

ラストで,ユーイチの散香が上昇しようとしたとき,ティーチャーの機銃掃射により翼に穴があくシーンがとても印象的でした(^^)v

>空中で彼に出会ったら 生きては還れない...
うんにゃ,必ず出来ると信じて前向きに挑戦していれば,いつの日かティーチャーを撃墜するユーイチ??が現れるのではないでしょうか・・・なにしろ,ティーチャーは普通の人間・・・歳も取りますし・・・(^o^)
しゅー
2008/09/02 17:53
レンタルした「L change the WorLd」のDVDに「スカイ・クロラ」の予告編が収録されていました。
ストーリーはどうなのか解りませんが、絵は良かったです。
DVDになったら見ますね (^^)
タラララ
2008/09/03 00:22
タラララさん
この作品は,空中のシーンと地上のシーンとがくっきりと分けられるのですが,空中のシーンは言うに及ばず,地上のシーンでも室内を描いたシーンの緻密さには驚かされます!!
でも,ストーリーは叔父さんにはかなり物足りないと感じることを覚悟して鑑賞してください(^o^)
しゅー
2008/09/04 02:58
しゅーさん 毎度
観たい気もする映画ですね、声優陣が豪華キャストで興味をそそsりますね。
私最近みたのは「ハンナプトラ3」です。
mick
2008/09/10 17:16
mickさん
>観たい気もする映画ですね
映像的には凄いアニメです(^o^)
しかし,内容は中年向きではなかったです・・・(^^);

>ハルナプトラ3
そうですか,面白かったですか・・・う〜ん,残念!!
聞くところによれば3の舞台は中国だったとか・・・
ハルナプトラといえば,やっぱりエジプト.さらにヒロイン役がレイチェル・ワイズでなかったこともあり,今回は,パスしてしまいました(^^);
しゅー
2008/09/11 01:43
しゅーさん 毎度
ハンナプトラ舞台が中国ていうのは、そやね・・・?でしたが、そんなことはべつにいいかって感じでしたよ。
万里の長城に、雪男とか出てくるしね。
唯一残念だったのは、レイチェル・ワイズの降板ですね、何故?なの?
mick
2008/09/11 09:41
mickさん
↑の理由によりハルナプトラは候補から漏れ,ダークナイトを見ることにしたのですよ!!
ダークナイト・・・暗い夜の映画・・・じゃなくて,バットマンの映画・・・バットマンがタイトルについてないけど・・・
こちらは,“ビギンズ”ではレイチェル役が,ケイティ・ホームズからマギー・ギレンホールに代わっていました・・・(・・?)
mickさん,こちらもお薦めですよ♪

>レイチェル・ワイズの降板ですね、何故?
う〜ん,なぜでしょう・・・もし出演していたら,たとえ中国でも,ダークナイト見ないで,こっちを観てたかもっ(^o^)
しゅー
2008/09/11 17:57

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