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zoom RSS ☆「チェンジリング」メモ

<<   作成日時 : 2009/03/21 01:34   >>

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CHANGELING
製作年度/ 2008年
製作国/ アメリカ
上映時間/ 142分
監督/ クリント・イーストウッド
製作総指揮/ ティム・ムーア,ジム・ウィテカー
原作/ −
脚本/ J・マイケル・ストラジンスキー
音楽/ クリント・イーストウッド
出演/ アンジェリーナ・ジョリー,ジョン・マルコヴィッチ,ジェフリー・ドノヴァン,コルム・フィオール,ジェイソン・バトラー・ハーナー,エイミー・ライアン,マイケル・ケリー
【映画館】
++++++++++
揺りかごに眠る赤ん坊を,親がちょっと目を離した隙に妖精たちが連れ去り,代わりに醜い妖精の子供を揺りかごにおいていく,というヨーロッパの言い伝え“チェンジリング(取替え子)”をタイトルにした作品.しかし,内容はファンタジーではなく,1928年,ロサンゼルスで起きた事件を映画化したものでした.

クリスティン・コリンズは,電話会社に勤めながら,9歳の息子ウォルターを女手ひとつで育てるシングル・マザー.息子の成長が彼女の何よりの楽しみだった.
とある休日,同僚の頼みで急きょ出勤することになったクリスティンは,息子ウォルターをひとり家に残すことに不安を感じながら,会社に出かけた.夕方,彼女が大急ぎで帰宅すると,家のどこにも息子の姿がない.近所を必死に探しても息子は見つからず,夜になって警察に捜査を依頼する.ところが,警察は,子どもの失踪は規則で24時間経過しないと捜査できない,朝になればきっと戻ってくるでしょう,と取り合ってくれない.結局,朝になってもウォルターは戻らず,警察による捜査が開始された.しかし,ウォルターの手がかりはまったく掴めず,誘拐か家出かさえ判らぬまま,行方不明の状態が続いた.

それから5ヵ月後,ロサンゼルス市警のジョーンズ警部から,ウォルターがイリノイ州で見つかったという連絡が入る.何かと市民からの批判が絶えないロサンゼルス市警は,親子対面の瞬間をマスコミに立ち合わせ,市警のPRに利用しようとした.その演出の派手さに戸惑いながらも,息子の乗る列車が駅に到着すると,プラット・ホームに駆け出していくクリスティン.列車から降り立った少年の姿を見た途端,彼女は我が目を疑う.最愛のウォルターではない.しかし,クリスティンのことをママと呼ぶ見知らぬ少年.彼女はそのことを警察に話すと,5ヶ月でウォルターの容姿は変わったのだと,彼女の話を否定する.クリスティンは息子だと言い張る見知らぬ少年をとりあえず自宅に連れて帰るのですが・・・

クリント・イーストウッド監督の最新作.失踪した息子の生還を願う一人の母親の想いが,警察権力の腐敗を暴き,僅かながらも改善に導いていく物語.

相変わらず,クリント・イーストウッド監督の語り口は素晴らしい.物語の舞台となる1930年代の世界へ,何の違和感もなく導いてくれる.はじめに映し出されるゆったりした日常の風情は,監督のこれまでの経験と実績がなせる業なのかもしれない.
演出,映像,音楽ともにクリント・イーストウッドらしい作品.細部までとても気配りが行き届いている.光と影を強調する映像と絶妙なタイミングで流れる切なさをそそる音楽の相性は申し分なし.
丁寧に描かれたシークエンスどおしのつなぎ方が実に心地よい.スクリーンに展開する物語の余韻を感じつつ,行間を自分なりに楽しむ.
途中までは,サスペンス仕立ての語り口で物語りが進行する.それが,いつの間にか,ある一人の女性のドラマに変わりラストへと向かっていく.楽しい物語ではないものの,後味は悪くない.一人の母親が置かれた状況からくる後悔の念と不安感がひしひしと伝わってくる.彼女を取り巻く状況の展開にいつの間にかはらはらさせられていた.

この映画の主役のクリスティンを演じたのはアンジェリーナ・ジョリー.彼女はセクシーな女優として有名であり,自分も「Mr.&Mrs.スミス」を観た時は確かにそう思ったが,この作品での彼女はまったく違う.まさに10歳ぐらいの子供を持つ母親の姿だった.
しかし,彼女は一人の普通の母親にしてはあまりにも強烈な個性を放つ.大きく見開かれた目に,訴える肉厚の紅い唇.中盤あたりまでは抑え気味の演技をしているものの,それでも彼女の強さが滲み出ていた.終盤は迫力満点の彼女がいた.鑑賞後,振り返ってみると,彼女を苦しめたジョーンズ警部も,精神病院の医師も,弁護士もみんな霞んでいる.クリント・イーストウッドの静かな語り口には何となく馴染んでいない.もっと平凡な女優がクリスティンを演じた方が,味わい深い作品に仕上がっていたかもしれない.ただし,アンジェリーナ・ジョリーの存在感が,この作品の見所であることも確か.二時間半にも及ぶこの作品を最後まで引っ張る原動力は彼女であり,彼女の起用の是非はなかなか難しい.

彼女の個性に対抗できるだけの男優が必要だったのかもしれない.この作品には,牧師役でジョン・マルコビッチが出演している.クリント・イーストウッドの作品「シークレット・サービス」では強烈な個性を放っていたマルコビッチが,この作品ではさほどのインパクトを残していない.彼も歳をとったためかと思うと,少し寂しさを感じた.

ロン・ハワード監督から話が来て,急遽,クリント・イーストウッドが製作することになった作品のようです.題材はあまり彼らしくないかもしれませんが,作品としてはいかにも彼が手がけたと感じられる作品でした.語り口,映像そして音楽のバランスは彼ならではのものですからね.彼の次回作「グラン・トリノ」がすぐに公開されるのは,そういう経緯があるからでしょうか.そちらは,クリント・イーストウッド自ら出演する作品のようですねっ・・・

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タイトル (本文) ブログ名/日時
チェンジリング
原題:CHANGELING公開:2009/02/20製作国・年度:アメリカ、2008年上映時間:142分鑑賞日:2009/02/21監督:クリント・イーストウッド出演:アンジェリーナ・ジョリー、ジョン・マルコヴィッチ、ジェフリー・ドノヴァン、コルム・フィオール、ジェイソン・バトラー・ハーナー... ...続きを見る
映画鑑賞★日記・・・
2009/03/26 13:09

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コメント(4件)

内 容 ニックネーム/日時
イーストウッド=スターンのコンビはどんな脚本でも「映像」にするでしょう。しかし僕は脚本がどうしても受け付けませんでした。

でも、好きなシーンはいくつかあって、クリスティンが残業でアカデミー賞の中継を聴いているところと最後に面会に行くところはアンジェリーナ・ジョリジョリが素晴らしかった。(もちろん演出がいいんですけど)

マルコビッチがまさか善人だなんて思いませんよね。あれは映画の途中まで「目くらまし」になりました。(ーー;)
HOSHIO
2009/03/22 22:00
HOSHIOさん
>僕は脚本がどうしても受け付けませんでした。
どうやら,この脚本とアンジーは,ロン・ハワードからクリント・イーストウッドへの贈り物だったようですね.なので,HOSHIOさんは脚本に,自分はアンジーに違和感を感じたのだと思われます・・・

>イーストウッド=スターンのコンビ・・・
名人芸の領域ですねっ・・・でも,スペース・カウボーイみたいな作品も観たいです・・・

>クリスティンが残業でアカデミー賞の中継を聴いているところと最後に面会に行くところ
おっしゃるとおりです・・・(^^)v
しゅー
2009/03/22 23:32
すいません。
この映画は先入観なしで見たいので、全く記事は読んでいません (^^;;
でもねぇ、早く行かないと上映が終わりそうな気配です。
今週は無理っぽいので、来月まで上映してくれていると良いのですが…。
タラララ
2009/03/24 18:12
タラララさん
>早く行かないと上映が終わりそうな気配です。
そうですね.4月になると「グラン・トリノ」の公開も控えているようですし・・・
しゅー
2009/03/25 04:18

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