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zoom RSS ★「華麗なるアリバイ」メモ

<<   作成日時 : 2010/08/27 09:12   >>

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LE GRAND ALIBI
製作年度/ 2008年
製作国/ フランス
上映時間/ 93分
監督/ パスカル・ボニゼール
製作総指揮/ −
原作/ アガサ・クリスティ
脚本/ パスカル・ボニゼール,ジェローム・ボジュール
音楽/ アレクセイ・アイグイ
出演/ ミュウ=ミュウ,ランベール・ウィルソン,ヴァレリア・ブルーニ・テデスキ,ピエール・アルディティ,アンヌ・コンシニ,マチュー・ドゥミ,カテリーナ・ムリーノ,モーリス・ベニシュー,エマニュエル・リヴァ,セリーヌ・サレット,アガト・ボニゼール,ダニー・ブリヤン
【映画館】
++++++++++
“ミステリーの女王”アガサ・クリスティ生誕120年記念という謳い文句で,ミニシアターで公開されていた作品「華麗なるアリバイ」を鑑賞しました.しかし,他に彼女の生誕120年に関連するイベントは聞きませんから,配給会社が考え出した苦肉の宣伝なのでしょうね.ちなみに本作品はフランス映画で,今から2年ほど前に製作された作品です.

舞台はパリ郊外.広い敷地の邸宅に暮らす上院議員アンリ・パジェスと妻エリアーヌは,週末になると親しい友人や親戚を自宅に招きパーティーを開いていた.
この週末は7名の男女を招き,その内訳は男性2人と女性5人.男の一人はアル中の小説家フィリップ・レジェ.もう一人は中年の精神医ピエール・コリエ.ピエールは夫婦同伴だった.招かれた女性の中にはピエールの愛人エステルもいた.上院議員の妻エリアーヌは,サプライズ・ゲストとしてイタリア人女優レア・マントヴァニを招いていたが,彼女はピエールの昔の恋人.その夜,レアの誘惑に負けベッドを共にするピエール.そして,妻の寝ている寝室に戻り,彼の一日は終わった.
翌日,みんながキノコ採りや猟へ出かけてしまった後に起き出したピエールは,一人,プールで黙々と泳ぎ,シャワーを浴びる.その後,静寂を破り,一発の銃声と女性の悲鳴が響き渡った.エリアーヌと姪のクロエが駆け付けると,プールサイドに血を流してピエールが倒れ,その傍らで彼の手を握る愛人エステルと拳銃を握る妻クレールを目撃するのですが・・・

ジャック・リヴェット監督やアンドレ・テシオ監督作品の脚本で知られるパスカル・ボニゼールが脚本と監督を手掛けた作品.原作はアガサ・クリスティの「ホロー荘の殺人」.
アガサ・クリスティの作品と言えば,「オリエント急行殺人事件」,「ナイル殺人事件」等に代表されるように,豪華な雰囲気の中で名優たちの演技と名探偵エルキュール・ポアロが鋭い洞察力で事件を解決する様を楽しむ作品という印象がある.
しかし,ミニシアター系の劇場で細々と上映されていた本作にそんなことは期待していなかった.そのかわり,フランス映画らしく,小品ながらもエスプリの利いた,そして洒落た雰囲気に期待した.

アガサ・クリスティは「ホロー荘の殺人」には名探偵ポアロは必要なかったと言い,同小説の戯曲化の際,彼女の書き上げた台本にはポアロが登場しないらしい.監督のパスカル・ボニゼールも彼女の意志を尊重し,舞台はパリ,そして時間は現代に置き換えているものの,ポアロのいない作品として映画を完成させた.原作を未読のためその真意はわからないが,本作を観る限り,登場人物の一人,アル中の小説家フィリップにしっかりと謎解きをさせれば,それはそれで面白いものになったかもしれない.けれども,本作には謎解きがほとんどなく,殺された精神医ピエールの女性関係にスポットを当てた作品に仕上げられていた.「華麗なるアリバイ」というタイトルにもかかわらず,そんなアリバイはどこにも存在しない.

そしてその出来栄えは,TVのサスペンス劇場を彷彿させるような代物.サスペンス劇場にも本作より面白いものが結構あるように思えた.
たとえ,イケメン精神医ピエールに群がる女性たちの愛憎劇でも,映像的に魅力的だったり,エピソードにエスプリが利いていれば,それはそれで楽しく観ることができたに違いない.しかし,本作は映像には輝きがなく,演出にはメリハリや緊迫感が,内容にはエスプリが乏しく,観る側にアピールするものが何も感じられなかった.ところどころに挿入される退屈な音楽はこの作品をとても陳腐なものにしていた.

上院議員の妻エリアーヌを演じたのは「バルスーズ」のミュウ=ミュウ.自分の知っている彼女とはだいぶ違ってしまっていたが,出演者の中でもっとも存在感があった.ちなみに,ピエールを取り巻く女性たちは,ピエールの愛人エステルが「ミュンヘン」のヴァレリア・ブルーニ・テデスキ,昔の恋人は「007/カジノ・ロワイヤル」でソランジュを演じたカテリーナ・ムリーノ,妻クレールは「潜水服は蝶の夢を見る」のアンヌ・コンシニというなかなかの面々.演出が良ければ,みんなもっと魅力的だったに違いない.

アガサ・クリスティの作品の謎解きの部分ではなく,男女の愛憎劇にスポットをあてた作品.しかし,アイディア倒れで,とても魅力に乏しいものでした.劇場で鑑賞するには,ちょっとキツイ作品だったかなっ・・・

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『華麗なるアリバイ』(2008)
終末、上院議員であるアンリとエリアーヌのパジェス夫妻の大邸宅に招かれたのは、夫妻の姪クロエ、遠縁にあたるマルト、同じく親戚の作家フィリップ、彫刻家のエステル、精神科医のピエールとその妻クレール、そしてイタリア人の女優レア。 だが翌日、事件は起こった。一発の銃声と共にピエールが殺され、傍らには銃を手にしたクレールの姿が・・・。 しかし犯行に使われたのは別の銃であることが判明、クレールは釈放される。 マルトはフィリップを愛していたが、フィリップはエステルに想いを寄せ、そのエステルはピエールの愛... ...続きを見る
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コメント(2件)

内 容 ニックネーム/日時
他に「アガサ・クリスティ生誕120年」としては、ハヤカワが“アガサ・クリスティー賞”を新設するというニュースが先日ありましたね。
日本のミステリーが対象のようですけど。
しかし、2年前の映画をこういう風に宣伝するとは商魂たくましい (^^;;

原作の「ホロー荘の殺人」は読んだはずですが、内容は全く思い出せません (+_+)
でも映画の原作は小説ではなく戯曲なんですね。
クリスティは戯曲化する時に内容を変更することがあるようで、「そして誰もいなくなった」は小説と戯曲でラストが違っていたりします。
クリスティは途中から恋愛小説風のミステリーが増えてきて、その頃の作品は個人的にあまり好きではないです。
でも、そういう作品の方が映像化しやすいのかなぁ…とも思ったり。
戯曲は未読なので分かりませんが、ひょっとするとこれもあえてミステリー風味を削ったのかも知れませんね。

出来はイマイチのようですが、クリスティ物は押さえておきたいですし、ミュウ・ミュウが懐かしいのでDVDになったら見ると思います。
若い頃しか知らないけど、きっと良いオバサンになったんでしょうね (^^;;
タラララ
2010/08/27 15:41
タラララさん
>クリスティは途中から恋愛小説風のミステリーが増えてきて・・・
まさに,この作品は恋愛映画です.おそらく原作は恋愛を小道具としたミステリーで,この作品はミステリーを小道具とした恋愛映画と言えるかもしれませんね.

>ミュウ・ミュウが懐かしいので・・・
映画を観ているときは誰だかわかりませんでした.でも演技は上手いなぁーと思っていたらミュウ・ミュウでした.明るい感じの良いおばさんといったところでしょうか!
しゅー
2010/08/28 09:59

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