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zoom RSS ☆「ミックマック」メモ

<<   作成日時 : 2010/10/29 00:11   >>

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MICMACS A TIRE-LARIGOT
製作年度/ 2009年
製作国/ フランス
上映時間/ 105分
監督/ ジャン=ピエール・ジュネ
製作総指揮/ −
原作/ −
脚本/ ジャン=ピエール・ジュネ,ギョーム・ローラン
音楽/ ラファエル・ボー
出演/ ダニー・ブーン,アンドレ・デュソリエ,オマール・シー,ドミニク・ピノン,ジュリー・フェリエ,ニコラ・マリエ,ヨランド・モロー,ジャン=ピエール・マリエール,ミシェル・クレマデ,マリー=ジュリー・ボー
【映画館】
++++++++++
「アメリ」,「デリカテッセン」などで,ブラックなユーモアを交えたメルヘンの世界を描くことで定評のあるジャン=ピエール・ジュネ監督の最新作.前作「ロング・エンゲージメント」から5年ぶりの作品です.世界中にファンを持つジュネ作品ながら,単館上映ではないものの,上映館は全国で15館程度.本当にフランス映画の劇場公開は難しいのですね.

バジルの父親は,30年前,地雷撤去作業中の事故に遭いアフリカの地で殉職した.そのショックで母は精神を病み入院.バジルは孤児院に入れられるも環境に馴染めず脱走.以来,彼は天涯孤独の人生を歩んでいた.

ここのところ,彼はレンタルビデオ・ショップで働いていた.ボギーの映画を観ながらボギーとバコールの台詞を全部口ずさむほど映画好きの彼にはお誂え向きの仕事だった.ところが,ある晩,ギャングの発砲事件に巻き込まれ,流れ弾が頭部に命中.銃弾を取り除いて植物人間として生きさせるか,いつ死ぬかわからないけれど銃弾を残して生きさせるか,救急病院の担当医は迷った挙句,コイントスで銃弾を残す方を選択.かくして銃弾を内臓したままバジルは生きていくことに.そんな彼に追い打ちをかけるように,退院してみると,職,家,全てのものを失っていた.ホームレスとなり路上でパントマイムをして小銭を稼ぐ日々がはじまった.

ある日,オルセー美術館前の広場でパントマイムをしていると,バジルに初老の男が声をかけてきた.男の名はプラカール.彼は,廃品回収したガラクタをユニークなモノに改造して生計を立てている集団の一人.メンバーは7人で,彼らはお互いを,ギロチン男,発明家,軟体女,言語オタク,計算機,人間大砲,料理番というニックネームで呼びあっていた.ちなみに,バジルに声をかけたプラカールは,彼の生い立ちからギロチン男と呼ばれていた.

バジルが彼らとの共同生活に馴染んできた,そんなある日,廃品回収の最中,偶然,父の死を招いた地雷の製造メーカーと自分の頭部にある弾丸の製造メーカーの本社ビルに出くわした.二つの会社の立派な高層ビルが道路を挟んで向かい合わせに建ち並んでいた.
バジルは仲間たちとともに,非暴力主義を貫きながらも,自分の人生をメチャクチャにした二つの武器製造メーカーに復讐すべく珍大作戦をスタートさせるのですが・・・

軍需産業に対する批判を込めた作品.しかしながら,現在のパリを舞台に,不器用ながらも個性的な人々を登場させ,ちょっとブラックでシニカルながらも,彼らの行動をユーモラスかつメルヘンチックに描いている.

冒頭からの,いくつかのエピソードを繋いだ主人公バジルのこれまでの不運な境遇の描き方は鮮やか.それを淡々と受け止めるバジルの姿も実に良い.さすがフランス映画と言ったところ.
そして,ホームレスとなった彼が遭遇するガラクタ改造集団の面々は,いずれも,とても凝っていて面白い.ガラクタ改造集団の誕生物語もあったりするともっと楽しめたかもしれない.

スーツとネクタイというどこにでもいる善良な市民の格好をして,地球上の人類を殺戮する武器を製造している人々が許せない,というのがこの作品の発端だったらしい.罪悪感もなく武器製造に携わる人々を,“ミックマック(いたずら)”で懲らしめて,世の中を変えていこうと言うのが本作品のコンセプト.
しかし,コンセプトは大きいものの,彼らの実行する珍作戦は,とてもくだらなくて奇想天外.武器製造会社の社長たちを懲らしめるため,警備主任色仕じかけ作戦,軟体女の宅急便作戦,目覚まし時計の時限ハチ爆弾作戦など,アナログ仕掛けの珍作戦が展開される.しかし,最後のいたずらだけは今風の仕掛けで,思わずニヤッとしてしまった.

徹底的に作り込んだ映像や独特の色彩感覚は「アメリ」そっくり.彼らの住まいであり,珍作戦の本部となる空間には,個性的な小物があたりかしこに散りばめられ,そういうおもちゃ箱的なセンスもアメリっぽかった.そんな中でも,雰囲気のある音楽に合わせて,ガラクタに着せたブラウスとフレアスカートがひらひらと揺れるシーンに心惹かれた.
表面的には「アメリ」のオヤジ版とも言えるが,「アメリ」に比べるとあと一歩何かが足りない.「アメリ」は,彼女のいたずらで彼女の廻りの人々の幸せになる様が描かれているのに対して,バジルのいたずらは世界中の人々を幸せにするものかもしれないが,あまり幸せ感とか夢のようなものが感じられなかったせいかもしれない.

主人公のバジルを演じたのはダニー・ブーン.彼は本国フランスではかなり有名な俳優らしい.本作では,キートンやチャップリンを彷彿させる大道芸人の演技が光っていた.個人的には,バジルをとても意識し,何かと彼とぶつかり合う軟体女を演じたジュリー・フェリエに魅かれた.もちろん,彼女の体の柔らかさではなく,彼女の眼差しがとても魅力的だったから.

観ている最中はあまりピンと来なくても,後から断片的にシーンが想い出され,じわっとした味わいが感じられる作品でした.しかし,「アメリ」の幸せ感に比べると,今一歩の作品だったかなっ・・・

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コメント(3件)

内 容 ニックネーム/日時
わ〜い、ジュネ監督の新作だ〜。
と、はしゃぎたくなるくらいお気に入りの監督です (^^;;
「デリカテッセン」以降の作品は全て見ていますが、世間では評判の悪い「エイリアン4」を含めて、まだハズレがありません。
独特の世界観がある監督ですよね。
ぜひ劇場で見ておきたいですが、無理っぽいのでDVD待ちです (T_T)
タラララ
2010/10/29 13:09
タラララさん
久しぶりのジュネ監督作品でした.
>独特の世界観がある監督ですよね。
はい,相変わらず独特な世界を作り出していました!!

>世間では評判の悪い「エイリアン4」・・・
ジュネ監督は,ハリーポッターの監督を断ったそうですが,「エイリアン4」がトラウマになっているのかもしれませんね・・・(・・?)
しゅー
2010/10/30 17:58
おおっ,”デリカテッセン”ですね.
しゅー
2010/10/30 18:03

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