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zoom RSS ☆「森崎書店の日々」メモ

<<   作成日時 : 2010/12/15 09:13   >>

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画像
製作年度/ 2010年
製作国/ 日本
上映時間/ 109分
監督/ 日向朝子
製作総指揮/ −
原作/ 八木沢里志
脚本/ 日向朝子
音楽/ 野崎美波
出演/ 菊池亜希子,松尾敏伸,田中麗奈,内藤剛志,奥村知史,吉沢悠,きたろう,岩松了
【映画館】
++++++++++
ここのところ,ずっと邦画を観ていなかったので,邦画に拘って選択.本作品の舞台となっている神保町にあるミニ・シアター(神保町シアター)で鑑賞した作品です.

物語は,同じ会社に勤める貴子とその恋人の英明がイタリアン・レストランで食事をしているところからはじまる.
貴子のおしゃべりがひと段落したところで,英明は彼女に自分が結婚することを切り出した.貴子は自分の耳を疑った.えっ,自分は英明の恋人ではなかったのか.英明が自分と違う女性と結婚するのはどうして.そんな動転する彼女に向かって,英明はさらに相手が経理課の村野だと告げた.

英明の裏切りに対する衝撃と,自分の救いようのない鈍感さから立ち直れず,それから暫くして貴子は会社を辞め,一人,部屋に閉じこもるようになる.そんな貴子の携帯に一本の電話がかかってきた.それは神田神保町で“森崎書店”という古書店を経営する叔父サトルからのものだった.サトルの声はひたすら明るく,家賃とか光熱費もばかにならないから,と店の二階に住むことを勧める.さらに,自分は腰痛を抱えているので,少し店を手伝ってもらえると助かるとも言った.貴子を心配する母親の依頼によるものだったのだが,サトルの熱心な勧めに促され,“世界一の古書店街”神保町の片隅にある森崎書店での生活が始まった.

書店内の古書に囲まれ,そして神保町の町並みやその空気,さらには森崎書店に訪れる,奇妙な,しかしながら本をこよなく愛する人たちに接するうちに,貴子も本を手にするようになり,いつしか彼女も本が好きになっていく.そして,今,自分が住んでいる神保町もとても居心地の良い世界へと変化していくのですが・・・

第3回ちよだ文学賞を受賞した八木沢里志原作の「森崎書店の日々」を映画化したもの.神田神保町で傷ついた一人の女性が緩やかに回復していく姿を軸にして,その周囲の人々や本の街,神保町と古書の魅力が綴られている.ほのぼのとした雰囲気ながら,じっくりと見せる作品に仕上がっていた.

主人公の貴子を演じた菊池亜希子は,モデル出身で,本作が初主演作品.彼女なりに頑張っているものの,決して演技が旨いとは言えない.しかしながら,一生懸命に演じる姿に好感は持てた.顔つきとか話し方,あるいは全体から受けるイメージまでもが,ちょっと斉藤由貴の若いころに似ていた.
そんな彼女を旨く引き立てていたのが,彼女の叔父サトル役の内藤剛志.ちょっととぼけた雰囲気で,主人公の貴子をさりげなく励ますだけでなく,見ている人も彼の雰囲気に弾き釣り込む.彼が貴子を見つめる目線が自分となり,彼が何を感じているのかを想像し,彼がこれから何をするのかがとても興味深く思えた.また,ともすると,説教くさくなりがちな会話も,彼の雰囲気がそれを打ち消していた.
監督は日向朝子.脚本家出身の女流監督.映画らしく,すべてを見せることはせず,物語に適度な余韻を持たせている.また,主人公である貴子がとても生き生きと感じられるのは,菊池亜希子には申し訳ないが,彼女の手腕によるところが大きい.けれども,男性の描き方はイマイチ.確かに,叔父のサトルや,喫茶店のマスター役のきたろうはとても良い味を出していたが,それは,俳優の実力によるもので,亜希子の友達に恋する青年などの演出はステレオ・タイプに感じられた.

神保町の日々を描き,街の記憶としての側面も持つ.そのタッチはドキュメント風で,映像的にはちょっと面白いショットも散見された.特に,地下鉄がトンネル内を走る光景の力強さとコインランドリーの洗濯機に映る彼との想い出のシーンが印象に残った.しかし,神保町の個性を伝えると言う意味では,その個性が十分に伝わってくるまでには至らず,通り一遍の感が否めなかった.

古本.作品の雰囲気を伝える装丁が少し劣化していても,それがむしろ,長い期間存在していた証として重みになっている.古本には歴史があり,ページを捲るにつれ,その前の持ち主の存在が浮かび上がってきたりする.そんな古本を,自分のペースで,行間も読みながら,立ち止まったり,振返ったりしながら,ゆっくりと読む.TVや映画にはない貴重な時間を演出してくれるものとして綴られていた.

話題性は乏しく注目されるような作品ではありません.けれども,小品ながら,日本映画らしさが漂い,じっくりと主人公と周囲の人々を捉えた佳作でした.観終わった後の感じが,思いがけず良い本と出会えたときの感覚にちょっと似ている作品だったかなっ・・・

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コメント(2件)

内 容 ニックネーム/日時
これ、本好きとしてはちょっと気になっていた映画です。
☆印でも絶賛、お薦めという感じではなさそうなので、DVDレンタル待ちですね (^^;;
神保町に行ったことがない自分でも楽しめるかなぁ…。
タラララ
2010/12/16 13:54
>本好きにはちょっと気になっていた映画・・・
とても扱いが地味で,ほとんど話題にはならなかった作品ですが・・・意外と良かったですよ.とくに,内藤剛志の演技に嵌りました♪

>神保町に行ったことがない・・・
それなりに楽しめると思います.でも,やっぱり行ったことがある人のほうが楽しめる作品だと思います.
しゅー
2010/12/16 20:39

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