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zoom RSS ☆「ブラック・スワン」メモ

<<   作成日時 : 2011/06/06 20:55   >>

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BLACK SWAN
製作年度/ 2010年
製作国/ アメリカ
上映時間/ 108分
監督/ ダーレン・アロノフスキー
製作総指揮/ ブラッドリー・J・フィッシャー,アリ・ハンデル,タイラー・トンプソン,ピーター・フラックマン,リック・シュウォーツ,ジョン・アヴネット
原作/ −
脚本/ マーク・ヘイマン,アンドレス・ハインツ,ジョン・マクラフリン
音楽/ クリント・マンセル
出演/ ナタリー・ポートマン,ヴァンサン・カッセル,ミラ・クニス,バーバラ・ハーシー,ウィノナ・ライダー,バンジャマン・ミルピエ,クセニア・ソロ,クリスティーナ・アナパウ,ジャネット・モンゴメリー,セバスチャン・スタン,トビー・ヘミングウェイ
【映画館】
++++++++++
監督が「レスラー」のダーレン・アロノフスキー,さらに,あのマチルダことナタリー・ポートマンがアカデミー賞主演女優賞を受賞した作品ということで鑑賞した作品です.

ニューヨーク・シティ・バレエ団はこれまで看板プリマ,ベスによって人気を博してきた.しかし,最近では彼女の人気にも陰りが見え始めていた.そこで,振付師トーマス・ルロイは,新シーズンでは新たなプリマを起用し,バレエの代名詞とも言える「白鳥の湖」に斬新な振付けをして盛り返しを図ろうと考えた.

主人公ニナ・セイヤーズはそんなニューヨーク・シティ・バレエ団のダンサー.彼女も,また,今回の振付師ルロイの決定に胸を弾ませプリマを夢見ていた.
ある日,プリマを決めるための審査が行われる.
一度は,清楚な白鳥のオデットを見初めたジークフリード王子が,官能的で妖艶な魅力を振りまく黒鳥オディールと魔王ロッドバルトの罠に嵌り,結果としてオデットを裏切ってしまう「白鳥の湖」.ニナは,清楚な白鳥のオデットは申し分ない踊りを見せたが,官能的な黒鳥のオディールの方はルロイのイメージするものとは程遠いものだった.彼女は優等生タイプの女性で,異性を虜にする悪魔的な魅力が不足し,それは踊りでも同様だった.
ニナは懸命に練習するものの,どうやらルロイはプリマを別の人に決めている様子.配役発表の日,彼女は憧れだったベスからこっそり盗んだ口紅を塗り,ルロイの部屋を訪れる.彼はニナに対し手厳しい言葉を浴びせた上に,彼女にキスを迫ってきた.彼女は抵抗し部屋から飛び出してしまう.
プリマの望みが絶たれ,うな垂れるニナ.ところがプリマに選ばれたのはニナだった.

その後,ハードな練習に明け暮れるニナ.しかし,娘を溺愛する母親エリカの存在,大役を担う重圧,黒鳥オディールになりきれない焦燥感に追い詰められ,彼女は徐々に神経を歪めていくのですが・・・

前作「レスラー」では,落ちぶれたレスラー役にミッキー・ロークを起用して,見事に男の哀愁を描いたダーレン・アロノフスキー監督.今作は,前作とは打って変わって,バレエの世界を舞台にプリマの座を射止めた優等生ダンサーが,その重圧から,少しずつ心のバランスを崩していく様を,現実と幻覚を交叉させスリラー色の強い心理サスペンスとして描いている.
主人公のプリマ,ニナを捉えたダーレン・アロノフスキーの緊張感の途切れない演出は冴えていた.また,ニナを演じたナタリー・ポートマンの演技も細部にわたって素晴らしく,生真面目な主人公の不安感や弱さ,それに伴う嫉妬や妬みを見事に表現していた.

ナタリー・ポートマンと言えば,リュック・ベッソン監督作品「レオン」では,少女マチルダを演じ,かわいらしさと微かな色香を作品一杯に振りまき,強烈な印象を残した.けれども,その後,知的な雰囲気を持つ女優へと成長を遂げ,数多くの作品に出演するものの,今一つ魅力に欠ける存在だった.監督のダーレン・アロノフスキーはそんな彼女に目をつけた.
個性を出しきれないプリマと実際のナタリー・ポートマンの女優人生が重なってくる.それゆえに,プリマの苦悩はリアルさを増し,サスペンス性が否が応でも高まった.

前作「レスラー」同様,アロノフスキー監督の人物描写は実に上手い.細部を描写することで人物の内面を浮き彫りにし,そこに独特な雰囲気を作り出している.また,本作では,彼女の現実の日常風景と白日夢を混然と存在させ,それがそのまま彼女の心象風景となっていた.そういった全ての要素が,作品全体に張りつめた緊張感を与えていた.

本作は,ナタリー・ポートマンのワンマン映画の様相を呈しているものの,脇を固める俳優陣の存在も見逃せない.振付師トーマス・ルロイを演じたヴァンサン・カッセル,ニナの母親エリカを演じたバーバラ・ハーシー,同僚リリーを演じたミラ・クニス,そして前任のプリマ,ベスを演じたウィノナ・ライダーの面々.
ヴァンサン・カッセルの説得力のある演技がサスペンスの原動力になり,バーバラ・ハーシーの凄味が本作の雰囲気を盛り上げるとともに本作に厚みを与えている.また,ミラ・クニスの存在はナタリー・ポートマンの役柄を際立たせ,意味深なウィノナ・ライダーの起用は見る側にショックと作品全体にダークさを漂わせていた.

本作のナタリー・ポートマンはアカデミー主演女優賞の受賞も納得の演技ではあるものの,もっと迫力があっても良かったし,女優の持つ魅力という点では物足りなさが残りました.もっとも,本作は彼女の代表作になるだろうし,彼女の存在感で成り立っている映画であることは確かでしょう.
映画としても過度の重圧に晒された人間の狂気を描いた見応えのあるサスペンス映画だったと思います.ただし,見方を変えると母親から旅立つ一人の女性の成長物語とも捉えられ,見終わった後,どっと疲れた感はあるものの,後味は悪くない作品でした.また,エンドロールも美しく,ちょっと切なさを残すラストは好印象.アルフレッド・ヒッチコック監督の一連の作品と比較しても楽しい出来栄えの作品だったかなっ・・・


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コメント(2件)

内 容 ニックネーム/日時
>母親から旅立つ一人の女性の成長物語
ああ、なるほど。
そういう見方も出来ますよね。

>本作は彼女の代表作になるだろう
ネットで「代表作のなかったナタポーにようやく代表作ができた」という文章を読んで思わず自分は納得しました (^^;;
タラララ
2011/06/07 12:06
タラララさん
>代表作のなかったナタポーにようやく代表作ができた・・・
子役はなかなか大人になって成功しないものですよね!!
タラララさんのお気に入りのジョディ・フォスターは数少ない例外でしょう.
そんな彼女ですら最近は見かけませんね.
さて・・・ナタリー・ポートマン.
彼女の場合は,本作で魅力的な女優になるための切っ掛けができた,と言ったところでしょうか.出産後の彼女の変貌ぶりが楽しみですね!!
しゅー
2011/06/07 20:29

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