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zoom RSS ☆「人生、ここにあり!」メモ

<<   作成日時 : 2011/09/08 09:21   >>

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SI PUO FARE
製作年度/ 2008年
製作国/ イタリア
上映時間/ 111分
監督/ ジュリオ・マンフレドニア
製作総指揮/ −
原作/ −
脚本/ ジュリオ・マンフレドニア,ファビオ・ボニファッチ
音楽/ ピヴィオ,アルド・デ・スカルツィ
出演/ クラウディオ・ビシオ,アニタ・カプリオーリ,ジュゼッペ・バッティストン,ジョルジョ・コランジェリ,アンドレア・ボスカ,ジョヴァンニ・カルカーニョ,ミケーレ・デ・ヴィルジーリョ,カルロ・ジュゼッペ・ガバルディーニ,ナターシャ・マクニッツ
【映画館】
++++++++++
娯楽大作を続けて観るととてもミニ・シアター系の映画が観たくなる,今日,この頃です.
かつては娯楽大作しか観なかった時期もあったのに.若い頃,肉ばかり食べて野菜に見向きもしなかったのに,最近では肉と野菜とのバランスがとても美味しく感じられるのと似ていますね.そんなことを思いつつ選んだ作品です.

舞台は1983年のイタリア,ミラノ.
労働組合員のネッロは,仕事にとても熱心ながら,廻りとの協調性に欠ける上に暴走気味のため,彼を持て余した組合の上層部は,ある日,所属組合からの異動を命じた.
新しい赴任先は「共同組合180」という組織.1978年に制定されたバザリア法により,精神病院が閉鎖され,居る場所がなくなった元患者たちが集められている病院付属の組織である.
赴任してネッロがまず目にしたのは,封筒の切手貼りに代表される施し仕事をして無気力に日々を送る元患者たちの姿.彼らはそれすら満足に出来ない始末.彼の頭に浮かんだことは,彼らの基本的な人権を尊重しつつ,きちんとした仕事を与え,彼らを自立の道へと導くこと.早速,彼は組合の制度に基づき,みんなを集めて集会を開く.これまで社会から隔離され患者として生活してきた上に,現在でも精神安定剤を投与されているため,彼らに物事を遂行しようとする意識は乏しく,集会とは程遠いものだった.それでも,ネッロは辛抱強く元患者たちと接し,彼らを取りまとめ奔走した結果,みんなで床張りの仕事が出来る体制まで漕ぎつけた.
だが,世の中はそんなに甘くない.なかなか彼らに床張りの仕事を注文する人は現れなかった.さらに,元患者たちがまともなに仕事を出来るわけがないと考える監督医師デル・ベッキオは,彼らが問題を起こす前に,中止するように圧力をかけてきたのですが・・・

イタリアでは,1978年に精神病院を廃止する法律(180号法),別名,バザニア法が制定された.
これにより,次々に精神病院が閉鎖され精神保健センターに置き換わり,患者たちはそこで治療を受けつつ社会復帰できるようになった.提案者は1971年,サン・ジョヴァンニ精神病院長に就任したフランコ・バザリア.精神病院での患者の悲惨な現状に対して,精神患者であっても人権は尊ばれなければならない,入院治療は患者の回復にはあまり役立たない,むしろ,自由な環境で社会との関わりを維持しつつ治療をした方が回復する,というのが彼の考えだった.彼の努力のもとに法律が制定され,現在,精神患者は,地域のデイサービス,グループホーム,カウンセラーなどの支援を受けつつ社会生活をとおして治療が行われているという.

とても難しいデリケートな問題を扱っているものの,娯楽映画として楽しめるコメディ・タッチの社会派作品だった.監督はイタリアでコメディ監督として活躍しているジュリオ・マンフレドニア.本作は彼の長編3作目にあたる.

原題の“SI PUO FARE”とは“やればできるさ”との意味らしい.精神患者の最適治療法と社会との共存がテーマになっているのだが,それを“誰でもどこかおかしくて,必ず何かを持っている”という立場で前向きな作品に仕上げられていた.モデルになったのはイタリア北部の「コープ・ノンチエロ」の協同組合.エピソードの数々も,ほとんど実話からヒントを得たようである.

はじめのうち,元患者たちの奇妙な行動が続くが,それにはあまり馴染めず,退屈な映画かもしれないという思いが過ぎった.けれども,主人公のネッロと元患者たちに進むべき道への可能性が見え始めたとき物語が動き出した.とても前向きで元気が出る内容ながら,美味しいエピソードだけで構成して大人のメルヘンに仕上げるのではなく,当然起こるべき問題も取り上げることにより,現実を見据えたものになっていた.邦画ならば綺麗な部分だけを綴って,涙を誘うことにエネルギーを費やした作品になっていたかもしれない.

奇妙な行動に終始していた元患者たちが,終盤になると頼もしくなったり,魅力的に見えてくる様は面白い.演出もさることながら,俳優たちのしっかりした演技力によるところが大きい.

派手さはないものの,ヨーロッパ映画らしい味のある佳作.映画好きの方にはお薦めの作品で,現状においてはまさにミニ・シアター系の作品でした.作品を見ながら,あるときは元気を貰い,またあときはかなり考えさせられるそんな感じの作品だったかなっ・・・

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コメント(2件)

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>若い頃,肉ばかり食べて野菜に見向きもしなかったのに,最近では肉と野菜とのバランスがとても美味しく感じられる
いや〜、よく分かります、その感覚 (^^;;
自分も最近はハリウッドの大作系には食指が動かなくなってきました。
でも近くのシネコンに掛かるのは大作系ばかりで、どのシネコンも同じメニューなのが残念です。
7つも8つもスクリーンがあるのですから、1つぐらいミニ・シアター系を掛けても良さそうなものです。

この映画、スタッフもキャストも自分の知らない人ばかりですが、面白そうですね。
DVDになったら見てみたいと思います!
タラララ
2011/09/08 14:25
タラララさん
>この映画、スタッフもキャストも自分の知らない人ばかりですが・・・
自分もスタッフ&キャストで知っている人物は一人もいませんでした.
最近,イタリア&フランス映画は普通の映画館では上映されませんから仕方ないですよね・・・(^^);

>7つも8つもスクリーンがあるのですから、1つぐらいミニ・シアター系を
まさにおっしゃる通り.何でも多様性は必要だと思うのですが・・・
けれども,相次いでミニシアターが閉館に追い込まれている現状を見ると,ミニ・シアター系映画を見ようとする人はきっと減っているのでしょうね.
しゅー
2011/09/08 21:07

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