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zoom RSS ☆「ミッション:8ミニッツ」メモ

<<   作成日時 : 2011/12/18 21:31   >>

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製作年度/ 2011年
製作国/ アメリカ
上映時間/ 93分
監督/ ダンカン・ジョーンズ
製作総指揮/ ホーク・コッチ,ジェブ・ブロディ,ファブリス・ジャンフェルミ
原作/ −
脚本/ ベン・リプリー
音楽/ クリス・ベーコン
出演/ ジェイク・ギレンホール,ミシェル・モナハン,ヴェラ・ファーミガ,ジェフリー・ライト,マイケル・アーデン,キャス・アンヴァー,ラッセル・ピーターズ,スーザン・ベイン
【映画館】
++++++++++
「ミッション:8ミニッツ」.タイトルから在り来たりのスパイ・アクションだと判断して,迷わず素通りすることにした作品.けれども,HOSHIOさんの記事でダンカン・ジョーンズ監督の作品と知り,その上,HOSHIOさんとタラララさんのお二人が絶賛していたので観ることにした作品です.

高層ビルが立ち並ぶシカゴの街を通勤列車が駆け抜けていく.
列車が緑の多い風景にさしかかったとき,カメラは列車の中を捉え,一人の男を映し出す.
男は目を覚まし,列車に乗っている自分に気づき驚いている.彼の名前はコルター・スティーヴンス.空軍大尉としてアフガニスタンの地で任務を遂行していたはずだった.なぜ,自分は列車の中にいるのだろう.向かい合って座るクリスティーナという若い女性が親しげに声をかけてきた.どうやら自分は彼女と会話を楽しんでいたようだ.混乱した頭を何とかしようと,彼は席を離れてトイレに向かった.トイレの鏡の中には自分とはまったく別の男の姿があった.ポケットにはショーン・フェントレス教官と記載された身分証明書が入っていた.トイレの外ではクリスティーナが心配そうな表情をして待っていた.そのとき,反対方向に向かう列車がすれ違い,それと同時に彼の乗る列車は大爆発を起こし,その光を見た瞬間に意識が途切れた.目覚めてから8分間の出来事.

「コルター・スティーブンソン大尉.こちら“包囲された城”応答せよ」という声が聞こえてきた.目を開けると彼は薄暗いカプセルらしきものの中にいた.目の前の小さなモニターには女性が映し出されていた.彼女はコリーン・グッドウィン大尉.
彼女の説明によれば,シカゴ駅到着直前で乗客全員が死亡する列車爆破事件があり,数時間のうちに次の犯行が行われる.彼女は,彼が8分間の間に爆発物を発見出来なかったことを知ると,彼に爆発前の列車に戻り爆発物とその犯人を見つけるように指示した.
列車の中の光景は爆発事故で死亡したショーンの死ぬ直前の8分間の記憶.それはラトレッジ博士が開発した “ソース・コード”というシステムが作り出したもの.コルターはショーンの記憶に繰り返し転送され,ショーンの体を借りて爆発物と犯人を捜し続けるのですが・・・

SF映画ファンを魅了した「月に囚われた男」のダンカン・ジョーンズ監督の長編第2作となるSFサスペンス.そして彼のハリウッド進出第一弾.しかし,力技で押すハリウッド流のSF大作に染まることなく,前作に引き続き独特な雰囲気を持つ見応えのあるセンスの良い作品に仕上げられている.

本作はSFホラー“スピーシーズ”シリーズ(V,W)の脚本を手がけたベン・リプリーによるオリジナル脚本.その出来は良く,小説では本作の魅力は上手く表現できないと感じるほど映画向きの内容だった.
映画のタイトルにもなっている幾度となく繰り返される8分間のミッション.そこにはミッションを遂行する主人公が,8分間という限られた時間の中で,前のミッションで得た経験を次のミッションに反映させる工夫があり,大して変化のないミッションの繰り返しにも関わらず,その成り行きにはワクワクした.

一方,監督のダンカン・ジョーンズの演出も見事.
8分間の列車の中で,あるいは薄暗いカプセルの中で,主人公の置かれた状況を主人公をとおして徐々に明らかにしていく語り口は素晴らしい.また,幾度となく繰り返されるミッションを経て主人公が列車の同乗者へ親近感を抱いていく様子や,自分の運命に対する苦悩などを,描写の間とか主人公の表情でとても上手く描いていた.

主人公のコルターを熱演したのは,「プリンス・オブ・ペルシャ/時間の砂」で,やはり時空を彷徨う主人公を演じたジェイク・ギレンホール.とても濃い風貌ながら本作ではそれが見事にマッチしていた.モニター越しにコルターと連絡を取り合う女性大尉を演じたウェラ・ファーミガの演技も素晴らしい.モニター越しに映し出される彼女の表情は魅力的で,彼女の躊躇する様子とか困惑する表情とか,彼女の顔を観ているだけでもかなり楽しむことができた.

本作はベン・リプリーの脚本の後ろに,監督のダンカン・ジョーンズによって,シークエンスが1つ付け加えられたようである.もし,リプリーの脚本のままで映画が終わったならば,どうすることもできない運命の切なさに浸りながら映画を見終えていたと思う.そして,“ソース・コード”というシステムによって,死んだ人間の最後の8分間の記憶は同調した主人公の意識によって作り変えることができる,という設定のバーチャル空間を舞台としたSF映画という理解のままで見終えていたに違いない.
けれども,付け加えられたシークエンスにより,この物語がパラレル・ワールドを扱ったもので,分岐して生まれる新たな世界の可能性とか,1つの世界で生じた変化はその近傍に位置する世界にも波及する,と言った現象を示唆する作品なのだと鈍感な自分にも理解できた.その上で,その波及効果を,コリーン大尉とラトレッジ博士とを対比させ,監督独自の解釈まで盛り込んでしまうのだから恐れ入る.ただ余韻に浸るという受け身的な感情から,それまで観てきたものを頭の中で再構築したいという衝動にかられ,映画鑑賞後もかなり楽しませてもらった.

短い時間にギュッと映画の魅力が詰め込まれた作品.そしてラストの付け加えられたシークエンスのおかげで,観終えてからもあれやこれやと考える羽目に.もう一度観ても良いかな,と思わせる作品であるとともに,また,次のダンカン・ジョーンズ作品を見たいと思わせる,そんな作品だったかなっ・・・


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コメント(12件)

内 容 ニックネーム/日時
そう、これ“時間もの”だと思っていたら違っていたんですよね (^^;;
DVDになったら、もう一度チェックしたい映画です。
今年に見た新作の中ではかなり上位に入りそうです。
タラララ
2011/12/19 22:18
タラララさん
>そう、これ“時間もの”だと思っていたら違っていたんですよね (^^;;
以前イメージできなかったシュレーディンガーの猫を,再度,トライしてみようと思いました!!

>DVDになったら、もう一度チェックしたい映画です。
2回観たいと思った映画は久しぶりです♪
しゅー
2011/12/20 09:19
こんばんは。

今年もWOWOWのお世話になってしまいました(^^;
今月は「ソーシャルネットワーク」を放送してます。

来年もよろしくお願いいたします。
よいお年を!
ときドキッ!
2011/12/26 18:09
ときドキッ!さん
>今年もWOWOWのお世話になってしまいました(^^;
本当にWOWOWの映画は充実していますからね.
新作も結構早い時期に放映されますし・・・

>ソーシャルネットワーク
自分は結構嵌った映画でしたが・・・
自分が抱くときドキッ!さんの印象だと・・・この映画はときドキッ!さん好みの作品ではなかったのでは・・・という気もしますが,如何だったのでしょう!!

>来年もよろしくお願いいたします。
こちらこそ来年もお付き合いのほどよろしくお願いします.
来年がときドキッ!さんにとって良い年でありますように!!
しゅー
2011/12/26 22:03
はじめまして!
記事に関係のないコメントで恐縮です。
もし宜しければ相互リンクして頂けますと幸いです。

突然の申請で申し訳ございませんが、是非ご検討下さい。
当方、主に映画やアニメブログになります。

タイトル
【ジャンル別映画・時々深夜アニメ】30歳A型独男の「今日はな〜に観よっかなぁ〜」

URL
http://ajfour.blog.fc2.com/

宜しくお願い申し上げます。
aj
2011/12/27 15:47
久々に仕事「(大きく)中断中」の私です。

トイレでのやりとりとか、2階のオバサンとの会話とか、細かい描写にいろいろ嵌まり、特に電車から落ちるところがリアルでしたが、あの衝撃ではかなり痛いかも・・・。(っつーか、無傷ではいられないはず??)

でもやっぱり「あそこ」で終わって欲しかった。最後は「ジョニーは戦場へ行った」を思い出してしまいました。
HOSHIO
2011/12/29 14:56
ajさん,はじめまして!!
>当方、主に映画やアニメブログになります。
拝見させていただきました♪
映画は特にアクションとSFがお好きなようですね!
・・・ならば,この「ミッション:8ミニッツ」はお薦めです.

>相互リンク・・・
いろんな方とお付き合いしていただいていますが,性格が気ままなもので,いつ辞めてしまうかわからないため誰とも相互リンクはしておりません.ご了承ください.

けれども,ときどきお邪魔してコメントさせていただけたら・・・と思います.
(Fc2ブログさんとウェブリ・ブログはTBの相性が悪く,TB出来ないのが残念です)
しゅー
2011/12/30 19:40
HOSHIOさん
>久々に仕事「(大きく)中断中」の私です。
来年へのお土産ですか・・・♪

>2階のオバサンとの会話とか、細かい描写にいろいろ嵌まり・・・
自分はコリーン・グッドウィン大尉に嵌っていました・・・へへっ(^^)v

>でもやっぱり「あそこ」で終わって欲しかった。
あそこで終わらせなかったことにダンカン・ジョーンズのセンスを感じました!!
しゅー
2011/12/30 20:51
僕、あのシーンで「ああ、こうなったらいいな」と思った映像がそのままスクリーンに現れて、「なんていい映画だったんだ・・・」と目頭が熱くなったんですよ。こういう瞬間があるからこそ、人生は生きる価値があるんだ、みたいな。

パラレルワールドになると、描かれてない「死んだコルター」とか「責任を取らされるグッドウィン」とかたくさんいるわけで、多分その辺りが残念に感じるのだと思います。

さて、本年もお世話になりました。忙しそうなしゅーさんより、全然映画見てない一年になりましたが、ここ数年は見たい映画がどんどん減っているような気がしています。これは半分は僕の「気力」の問題なのかも。

来年もよろしくお願いします。では、良いお年を!
HOSHIO
2011/12/31 11:43
この映画に関しては個人的にはHOSHIOさんの意見に賛成かな。
正月映画は見たいのがないので、DVDで古い映画を見ることにします (^^;;

今年はお世話になりました。
よい年をお迎え下さい。
新年もよろしくお願いします。
タラララ
2011/12/31 18:08
HOSHIOさん
昨年中はお付き合いいただきありがとうございました.
今年も,お付き合いのほどよろしくお願いします!

>「なんていい映画だったんだ・・・」と目頭が熱くなったんですよ.
よーく解ります.あの静止したみんなの笑顔はとても印象的でした.もちろん自分もあそこで終わるものと思いましたし,ジーンときました.

けれどもあの追加した僅かなシークエンスで,この映画の内容への理解がぶち壊され,再構築させられたことの方が強烈でした.なので,自分はシークエンスが追加されたことで,よりこの映画が好きになりました!!
しゅー
2012/01/02 00:57
タラララさん
昨年中はお付き合いいただきありがとうございました.
今年も,お付き合いのほどよろしくお願いします!

>この映画に関しては個人的にはHOSHIOさんの意見に賛成かな。
もちろん,あそこで終わっていてもまったく問題のない作品だったと思います.
けれども,あの僅かなシークエンスが追加されることで,能動的な余韻に浸ることができました.なので,自分はシークエンスが追加されることで,ますますダンカン・ジョーンズが好きになりました!!
しゅー
2012/01/02 01:23

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