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zoom RSS ☆「RAILWAYS 愛を伝えられない大人たちへ」メモ

<<   作成日時 : 2012/01/21 23:54   >>

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製作年度/ 2011年
製作国/ 日本
上映時間/ 123分
監督/ 蔵方政俊
製作総指揮/ 阿部秀司
原作/ −
脚本/ 小林弘利,ブラジリィー・アン・山田
音楽/ ニック・ウッド
出演/ 三浦友和,余貴美子,小池栄子,中尾明慶,吉行和子,塚本高史,岩松了,徳井優,中川家礼二,仁科亜季子,清水ミチコ,立川志の輔,米倉斉加年,西村雅彦
【映画館】
++++++++++
年が明けてだいぶ経ってしまいましたが,2012年,最初を飾るメモは三浦友和主演,余貴美子共演の邦画「RAILWAYS 愛を伝えられない大人たちへ」にしてみました.

冨山地方鉄道(地鉄)に勤務する滝島徹は現在59歳.あと1ヵ月で42年間務めた地鉄の定年を迎える.運転士の父親が倒れたことからやむなく就いた仕事だったが,その後,運転士として事故はおろか違反もせず,同僚から尊敬されつつも少し煙たがられる生真面目な男だった.これまでの仕事中心の人生を振り返り,彼は漫然と定年退職したら,第二の人生は妻,佐和子との時間を大切にして,二人であちこち旅行巡りをしたいと考えていた.
妻の佐和子は出産を機に看護婦を辞め,ずっと家庭を守り夫を支えてきた.しかし,彼女もまた夫の定年という節目を迎え,残された人生は再び看護の仕事に就き自分の人生を生きたいと考えていた.

そんなある日,二人は,偶然にもそれぞれパンフレットを取り出し相手に見せる.徹の手には国内旅行の,佐和子の手には住宅介護センターのパンフレットがあった.佐和子は辞めた看護の仕事を再開したいと切り出すが,徹は妻の考えを理解しようとせず口論になる.そこに同僚が倒れたという知らせが入り,急遽,徹は職場に行くことに.翌日,勤務を終えて帰宅すると佐和子の姿はなかった.それから数日して佐和子は自宅に戻ってくるも,二人の溝は埋まらず,徹の怒声に対して佐和子は自分の名前を書き込んだ離婚届けを突きつけるのですが・・・

人生を鉄道になぞり,鉄道にまつわる人々に光をあてたドラマを描く“RAILWAY”シリーズの第二弾「RAILWAYS 愛を伝えられない大人たちへ」.
雄大な北アルプスなどの美しい自然の中を走る地鉄を舞台に,夫が1ヵ月後に定年を迎える節目に直面し,これからの行き方を模索する夫婦の姿を描いたドラマ.監督は好評だった前作「RAILWAYS 49歳で電車の運転士になった男の物語」で助監督を務め,43歳ながら本作が監督デビューとなる蔵方政俊.

前半は,18歳から60歳までの42年間,鉄道マンとして務めあげた主人公,滝島徹という一人の不器用で気真面目な男の姿を,富山の風景,妻や娘との関係,職場の同僚らとの交流を交えながらひたすら綴っている.ロン・ハワードばりのクローズ・アップ映像を除けば,派手な演出もなく,主人公の設定,エピソードもあまり面白みがあるとは言えない.けれども,丁寧に誠実に描かれた人物描写にはしみじみとした風情があり,なかなか良い雰囲気を醸し出していた.中盤以降に用意された本作のクライマックスとなる出来事以降は,一転,大人のためにメルヘンの様相を呈し,観終わってみればほのぼのとした雰囲気が余韻として残った.

本作の魅力は,主人公,滝島徹を演じた三浦友和の存在によるところが大きい.彼が主人公と同年齢であると同時に,「伊豆の踊子」で山口百恵の相手役としてデビューして以来,スターとして脚光を浴びてきたにも拘わらず,彼の持つ真面目で地に足のついた堅実なイメージがこの作品を説得力のあるものにしている.彼の風格が主人公のイメージを少し邪魔しているものの,彼でなければこれほど惹きつけられる作品にならなかったに違いない.
滝島の妻,佐和子を演じたのは,親しみやすさと凛とした美しさを併せ持つ余貴美子.相変わらず,表情豊かで自由自在の演技を見せていた.ほとんど会話のないシーンでも顔だけで心情を上手く表現しているのは流石.
脇を固める吉行和子,米倉斉加年,西村雅彦,清水ミチコらも安定した演技を見せていた.彼らが作り出した雰囲気の中で,徹の娘を演じた小池栄子の個性がピリッとしたスパイスになっていた.

作品全体をとおして本作は,夫が定年を迎える夫婦の感情のずれとこれからの人生にどう向き合っていくかについての問題提起がなされている.
個人的には,長年,同じ屋根の下に暮らしていても阿吽の呼吸など夢物語で,本当のところは互いによく解らないのが夫婦だと認識している.そのせいか本作の夫婦の感情のずれの描写にはもう少し角度を変えた視点がほしいと感じた.
後者に関しては,そう遠くない時期に自分の身にも訪れる問題であり,かなり興味があったが,本作の顛末はあまり参考にならない.けれども,後半のエピソードを観るうちに,一年の節目として大晦日や元旦があるのと同様,定年も一通過地点で,深く思いつめるよりリフレッシュする良い機会と捉えるのが好ましいと感じた.もっとも,まだ頭の中で理解する比重が大きく,今後,実感として強く認識するようになったとき,どう感じるかはわからない.

ちょっと地味な作品ながら邦画ならではの雰囲気が味わえる作品です.定年間際の夫婦の心情,これからの人生への示唆よりも,地道に働き続けてきた男の姿を,三浦友和という主人公のイメージにピッタリの俳優を起用して,じっくりと捉えているのが最大の魅力でした.ゆったりとした語り口に触れつつ,時期に訪れる定年について自分なりのイメージを作りながら鑑賞した作品だったかなっ・・・

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コメント(2件)

内 容 ニックネーム/日時
これ「はやぶさ」を見に行った時に予告編を見ました。
昭和の邦画の香りがしそうな雰囲気はちょっと気になった映画です。
その後、ネットで調べてみたらシリーズものだったので敬遠したのですが…。
記事を読んでみるとシリーズと言っても前作とは関係ないようですね (^^;;
レンタルになったら1作目と一緒に借りてみようと思います。
ところで、中川家の礼二はやっぱり車掌の役だったんでしょうか (^^;;
タラララ
2012/01/22 14:59
タラララさん
>シリーズと言っても前作とは関係ないようですね (^^;;
前作とはまったく関係ない作品です.同じテーマを題材にしたシリーズものです.

>中川家の礼二はやっぱり車掌の役だったんでしょうか (^^;;
自分は本作を観るまで知りませんでしたが,テッちゃんとして有名なようですね.彼が働いている姿は描写されていませんでしたが,運転士の設定のようでした.
しゅー
2012/01/22 23:46

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