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zoom RSS ☆「ミッドナイト・イン・パリ」メモ

<<   作成日時 : 2012/07/08 07:26   >>

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MIDNIGHT IN PARIS
製作年度/ 2011年
製作国/ スペイン,アメリカ
上映時間/ 94分
監督/ ウディ・アレン
製作総指揮/ ハビエル・メンデス
原作/ −
脚本/ ウディ・アレン
音楽/ −
出演/ キャシー・ベイツ,エイドリアン・ブロディ,カーラ・ブルーニ,マリオン・コティヤール,レイチェル・マクアダムス,マイケル・シーン,オーウェン・ウィルソン,ニーナ・アリアンダ,カート・フラー,トム・ヒドルストン,ミミ・ケネディ,アリソン・ピル,レア・セドゥー,コリー・ストール
【映画館】
++++++++++
今年もはやいもので,もう半分が終わってしまいました.バタバタした日々を送っていたものの,何かを完成させたという達成感は乏しい半年でした.
それはさておき,久しぶりに評判の良いウディ・アレンの作品という前情報だけで観ることにした作品です.

ギルはハリウッドの売れっ子脚本家.けれども,本格的な作家に転身するとともに,パリでボヘミアンな人生を送りたいという願望を抱いていた.そして彼は,現在,ノスタルジー・ショップに働く男が主人公の小説を執筆中.

たまたま,彼は婚約者イネズの父親の出張旅行に便乗してパリを訪れる機会を得る.しかし,パリに着くなり,小説家としてデビューしたいギルと売れっ子脚本家のままでいてほしいイネズは口論に.そんなギクシャクする二人の前にイネズがかつて憧れていたポールが現れる.彼女と二人きりでパリを満喫しようとしていたギルにとって,とても迷惑であるばかりか,上っ面の芸術や歴史の薀蓄をひけらかすポールは苦々しい存在.

ある晩,ワインの試食会に参加した後,ポールと踊りに行くというイネズと別れ,ギルは真夜中のパリを散歩して宿泊先への帰り道に迷ってしまう.ひとり公園の入り口で佇んでいると午前0時を告げる時計台の鐘が鳴り,レトロな黄色い車が彼の前で停まった.車に乗り込んだギルの着いたところは古めかしい社交クラブのパーティー会場だった.

パーティーで出会ったアメリカ人の男女は,スコット&ゼルダ・フィッツジェラルドと名乗った.憧れる作家夫婦の名前を名乗る男女を訝しんだギルだったが,ピアノ弾きの男がコール・ポーター,パーティーの主催者はジャン・コクトーだと知らされ愕然となる.さらに,パーティーを抜け出して訪れたバーでは敬愛するアーネスト・ヘミングウェイと絶世の美女アドリアナと対面した.

そこは,活気溢れる芸術・文化が花開いた1920年代の黄金期のパリ.ギルは,毎晩,そんな真夜中のタイム・スリップにのめり込んでいくのですが・・・

良しにつけ悪しきにつけウディ・アレン監督らしさが前面に押し出された作品に仕上がっていた.前半には,アメリカ人を象徴するような人物を登場させ,彼らや彼女らを辛辣に批判する.また,ウッディ・アレンのインテリ好きで,都会好きな部分も顔を覗かせていた.
ジルがパリで経験した“泡沫の夢”の扉が開かれると,一転してロマンティックな雰囲気に.そこに,自身の敬愛する過去の芸術家たちを登場させ,主人公に託した自身の想いを軽やかなタッチで綴っていた.

ノスタルジックで猥雑な美しさを醸し出す夜のパリ.そこでは自分の憧れの時代にタイムスリップすることができる.ジルの場合は,1890年代のベル・エポックの時代と1920年代のゴールデン・エイジ.パリに芸術の神々が降臨して語り合った時代.でも,ジルを尾行した探偵さんはベルサイユ宮殿が最も華やいだ絶対王政の時代に飛んでいった.

ジルがはじめに行ったゴールデン・エイジには,スコット・フィッツジラルドやアーネスト・ヘミングウェイの他に,サルバドール・ダリ,パプロ・ピカソ,ゴーギャン,ルイス・ブニュエルらが登場する.彼らのエピソードは実しやかに作り上げた彼のイメージに違いないが,実際にガートルード・スタインのサロンで彼らは顔を合わせていたらしい.なお,ポスターはゴッホの作品を彷彿させるが,彼はサロン嫌いだったのか作中には出てこない.

特に爆笑するようなエピソードはないけれど,思わずニヤッとしてしまうシーンが随所に散りばめられていた.当時の芸術家たちに対する造詣が深ければ更に笑える仕掛けになっている.ベル・エポック,ゴールデン・エイジを通して,自分は画家や映画監督については多少の素養があったものの,作家に関してはヘミングウェイ以外の面々は名前に聞き覚えがある程度.もう少し当時の作家についての素養があればもっと楽しめたに違いない.

ヨーロッパを舞台にした作品を精力的に制作する最近のウディ・アレンの姿を見ると,「アニー・ホール」,「ハンナとその姉妹」などのニューヨークをこよなく愛した作品を世に送り出していた映画監督というイメージが強い自分には,ちょっと寂しさを覚えた.「世界中がアイ・ラブ・ユー」以降,久しぶりに観たロンドンを舞台にした彼の作品「タロットカード殺人事件」では抱かなかった気持ち.きっと本作の出来の良さがそういう感情を生み出したのでしょうね.

主人公ギルを演じたのは,スティーブン・テネンバウム監督作品の常連,オーウェン・ウィルソン.アレンのように早口ではないし,神経質なところや気難しさも感じられないのに,どこかアレンが演じた主人公たちを髣髴できた.ただし,インパクトのある共演者のせいでちょっと霞んでしまった感は否めない.
そんなインパクトのある演技を見せたのは,美術商ガードルード・スタインを演じたキャシー・ベイツとサルバドール・ダリを演じたエイドリアン・ブロディの二人.キャシー・ベイツの見るものを圧倒する迫力,エイドリアン・ブロディの変さ加減は,登場する時間は短いものの,見終わった後にも余韻として残るほどだった.

綺麗どころは,ギルのフィアンセ,イネズを演じたレイチェル・マクアダムスと,ピカソの愛人アドリアナを演じたマリオン・コティヤール,ノスタルジー・ショップの店員ガブリエル役を演じたレア・セドゥーの三人.
レイチェル・マクアダムスはハツラツとしたコメディアンヌ振りを見せているし,ピカソの愛人でジルが恋してしまうアリエリアを演じたマリオン・コティヤールは魅惑的な女性を演じていた.けれども,ノスタルジー・ショップの店員ガブリエルの弱々しげな笑顔に惹かれた.それが「ミッション・インポッシブル ゴースト・プロトコル」のクールな女殺し屋の笑顔だと知ったのは映画を見終わった後のことだった.それから,元フランス大統領サルコジ夫人,カーラ・ブルーニがサプライズ出演していた.

ウディ・アレン監督らしい独特の雰囲気を持つ大人向きのロマンティック・コメディ.意外にも,これまで数々の秀作を世に送り出してきたウディ・アレン監督作品の中で最もヒットした作品のようですね.自分はかつてのウディ・アレンを引きずっているせいか絶賛するには至らないものの,読書好きで美術にも造詣が深く,また洒落た映画が好きな方はきっと嵌る作品だったかなっ・・・

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コメント(8件)

内 容 ニックネーム/日時
おはようございます お久しぶりですね〜
ウディ・アレンのこの映画! 評判が良いようですね
しゅーさんの文章を読んだら余計に見たくなります〜

>読書好きで美術にも造形が深く,また洒落た映画が好きな方はきっと嵌る作品だったかなっ・

これは楽しみです〜 読書好きではないですが洒落た映画は大好きですね
「アニー・ホール」「ボギー俺も男だ」も好きですね
お気に入りは『カイロの紫のバラ』ですね(笑
テス(nosaman)
2012/07/08 10:17
この記事のコメントじゃないけどゴメンネ.
ロマンティストなしゅーさんお気に入りの「ユーガットメール」が先日TV放送されたので今日録画したのを見ました.公開された当時から気にはなっていたんですけどね.
こういう春風のような大人のラブストーリーっていいですよね.
すれ違い、勘違いの展開って高橋留美子の漫画みたいで、この先どうなるのかなぁっていうワクワク感があって、それがだんだん加速度がついてきて.
でもラストの出会いが(いや、とっくに出会ってたんだけど)以外とあっさり描かれて爽やかに終わりましたね.
たまにはこういうラブストーリーも見ないと!
トースケ
2012/07/08 18:03
テスさん,お久しぶりです
ウディ・アレンは「ボギー俺も男だ」「フラバー」でブレイクしましたよね.
懐かしいなー♪
1970代,1980年代の彼は,有り余る才能を遺憾なく発揮していました!

>洒落た映画が好きな方はきっと嵌る作品・・・
洒落た大人のロマンティック・コメディです.
当時の作家についての予備知識があるとさらに楽しめると思います.
スコット&ゼルダ・フィッツジェラルド,ガートルード・スタイン,ジューナ・バーンズ,T・S・エリオット,ヘミングウェイ.
しゅー
2012/07/08 20:45
トースケさん
>こういう春風のような大人のラブストーリーっていいですよね.
そう,そうなんです.何回も繰り返してみました.

>高橋留美子の漫画みたいで・・・
言われてみれば確かに高橋留美子の作品の雰囲気って,ユー・ガット・メールに近いものがありますね.高橋留美子の作品もかなり好きです.

当時のメグ・ライアンとトム・ハンクスは最高のコンビでした.
そして,当時はスターバックスに憧れました♪
しゅー
2012/07/08 20:51
お久しゅーです。
元気ですか?
ブログというか、ネットから遠ざかっております。
老眼がすすんで、パそみるの疲れるというか、面倒になって・・・・
五輪面白いですね。寝不足です。
記事とは、関係ないコメントで申し訳ない。
映画も最近は、見に行ってませんね。
夏といえば、ホラー映画がみたいが。
ひさしぶりに、更新しましたが、ネタが無いです。
当分は「ざびえろの館」のほうを、しこしこと更新していこうと思っております。
ざびえろ
2012/08/05 19:05
ざびえろさん、チョーおひさしぶり♪
>元気ですか?
何とかやっています・・・

>五輪面白いですね。寝不足です。
会社から帰ると、まず、TVのスイッチを入れてオリンピックを見ながらリビングでゴロゴロです。本当は、寝なくちゃいけないんですけどね。

>当分は「ざびえろの館」のほうを、しこしこと更新していこうと思っております。
了解!!
しゅー
2012/08/06 12:51
ウッディ・アレン氏、名言など本を読んでとても興味がわいて、それ以来、ファンになりました。ミッドナイトインパリ、とても評価が高いみたいなので、ぜひ見てみたい1本です。新しくまた映画もあるみたいですし、今から楽しみです★
フランクリンプランナーに挑戦中
2012/11/23 21:00
フランクリンプランナーに挑戦中さん.はじめまして.
開店休業中にもかかわらず我がブログへようこそ!!
かつてのウディ・アレンは才能の塊のような監督さんでしたね.
最近は凡作も目立ちますが,この作品はなかなか面白い味のある作品でした.
彼ももう80歳近く.そう考えるとやっぱり凄い監督さんですよねっ!
しゅー
2012/11/25 13:21

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