☆「ローマの休日」メモ

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Roman Holiday
製作年度/ 1953年
製作国/ アメリカ
上映時間/ 118分
監督/ ウィリアム・ワイラー
製作総指揮/ -
原作/ ダルトン・トランボ
脚本/ ダルトン・トランボ(イアン・マクレラン・ハンター) 、ジョン・ダイトン
音楽/ ジョルジュ・オーリック
出演/ オードリー・ヘプバーン 、グレゴリー・ペック 、エディ・アルバート 、テュリオ・カルミナティ 、パオロ・カルソーニ
【DVD】
アカデミー賞(1954)/ 主演女優賞,原案賞,衣装デザイン賞
ゴールデン・グローブ賞(1953)/ 女優賞
++++++++++
「シャレード」に続いてオードリー・ヘプバーン主演の「ローマの休日」を観ました.
高校時代にリバイバルを劇場で観て以来,実に30年ぶりの鑑賞でしたが,この映画に感じた魅力はまったく色褪せていませんでした.やはり,彼女の主演作の中で最も好きな作品です.

あるヨーロッパの小国の王位継承者であるアン王女は,ロンドン,パリなどのヨーロッパ諸国を親善訪問し,各国で暖かい歓迎を受けます.最後の訪問先ローマの式典でも,出席者の歓迎に,にこやかに応えます.
しかし,実のところはハードスケジュールで疲れきっており,情緒不安定になっていました.そんな彼女に主治医は鎮静剤を投与します.それでも寝付けない彼女は,寝室の窓から見える広場の楽しそうな様子に惹かれて,こっそりと宮殿を抜け出します.
ローマの街中に出て少しすると,薬が効き出したのか,彼女は急に睡魔に襲われベンチで眠ってしまいました.そこに,偶然,アメリカ人の新聞記者ジョー・ブラッドレーが通りがかります.彼はアンが泥酔していると思い,若い女性のくせにと呆れます.しかし,放置しておくこともできず,やむ終えず,自分のアパートへ連れて帰ります.
そして,この得体のしれぬ若い女性を,一晩,アパートに泊めるのですが・・・

おてんばな王女さまと貧乏新聞記者のロマンスを描いたメルヘンのようなラブ・コメディ.
監督は「ベン・ハー」や「コレクター」の監督としても有名な名匠ウィリアム・ワイラー.
脚本は「ジョニーは戦場へ行った」を脚本・監督したダルトン・トランボ.
この二人が組んで製作されたこの作品は実にシンプルなストーリーですが,そこに描かれた数々のエピソードは,思わず笑ってしまったり,ハラハラしたり,心憎いものばかり.

翌日,深い眠りから目覚めたアンとジョーとのやり取り,スペイン階段でジェラードを食べるアンにジョーがローマ見物を誘うエピソード,ローマの街中をスクーターで二人乗りしたり,サンタマリア・イン・コスメディン教会の入口にある真実の口でのジョーのいたずら等々,ジョーとアンの二人の織りなすエピソードは実に楽しい.
さらに,ジョーの相棒カメラマン,アーヴィンも交えたカフェ・グレコでのエピソードもコミカルで微笑ましい.

もちろん,これらのエピソードが楽しいのは,ハリウッド・デビューを果たした永遠の妖精,オードリー・ヘプバーンの魅力とその魅力を上手く引き出した演出,そして,新聞記者ジョー役のグレゴリー・ペックの顔に似合わず素朴な感じの演技,モノクロながらも美しい描写などが絶妙なバランスで噛み合っているからでしょう.

この作品でのオードリー・ヘプバーンはキュートで,さわやかで,茶目っ気もたっぷり.
彼女の表情は生き生きとして,からだ全体からは楽しさが湧き出してくるようです.さらに,笑顔ばかりでなく,びっくりした表情,しょげかえった表情もなかなかのもの.無邪気にストロー袋をふ~っと飛ばしたり,カットした自分の髪型を鏡に映して喜ぶ姿などの彼女の何気ない仕草までもが魅力的.

しかし,この作品がいまだに多くの人の胸に刻まれるのは,ラストのアン王女と新聞記者たちとの会見シーンではないでしょうか.
映画の冒頭での彼女は,公式の場でも,あくびをしそうになったり,ドレスの中で靴をもて玩んでいました.子供っぽい好奇心で街にでた彼女でしたが,たった一日のローマの休日は,彼女にとっては貴重な体験であり,それにより彼女はしっかりした女性へと変貌しました.
記者会見での彼女の凛とした表情は眩いばかり.その表情の裏ではジョーと過ごした想い出が脳裏をよぎります.しかし自分の立場を念頭におき,ゆっくりと噛みしめるように記者たちの質問に対して受け答える姿は圧巻でした.

恋愛映画として見ればハッピーエンドではありませんが,見終わった後,すがすがしさを感じます.アン,ジョーさらにアーヴィンの信頼関係の絆が,そう感じさせるのでしょうね・・・

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ローマの休日@映画生活


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この記事へのコメント

みのり
2006年07月20日 23:31
一つひとつのエピソードが楽しくて、心に残る作品ですね。 
オードリー・ヘプバーンは、永遠の妖精といわれるだけに、清潔な雰囲気が素敵だと思います。
しゅうさんは、オードリーの表情が豊かと書かれてますが、そういえば<シモーヌ>という映画の中で、CG女優シモーヌの表情を決める時、オードリーの表情を組み込んでいたような気がします。
七代目
2006年07月21日 00:04
これはまた懐かしい作品で。
初めて見たのは中学生頃で、TVの洋画劇場だったと思います。その後も何度かTVで見、大人になってLDを買いました(残念ながら劇場では観たことがありません)。オードリーの主演映画では一番好きな作品です。
タラララ
2006年07月21日 12:33
ご多分に漏れず、自分もこの映画のオードリーにノックアウトされました。
誰が何と言おうと(誰も何も言ってませんけど)、自分には“永遠の名作”です (^_^)v
アリス
2006年07月21日 17:25
あぁ・・彼女の作品ではダントツ これが好き。

昨年だったか名古屋でこの作品に登場したあのヴェスパが
一般公開されましたね。
将来、この映画のリメイク版は登場するのでしょうか・・・
タラララ
2006年07月21日 22:25
アリスさん
ほとんど知られていませんが、「ローマの休日」のリメイクは既に存在します (^^;;
1987年に映画ではなくTVムービーとして作られた、邦題「新・ローマの休日」という作品で、自分はレンタル・ビデオで見たことがあります。
内容は80年代風にアレンジされていましたが、ほぼ忠実なリメイクだったと思います。
王女役はキャサリン・オクセンバーグという奇麗な女優さんが演じていましたが、気品、可憐さはオードリーに遠く及びませんでした。
やはり「ローマの休日」は、オードリーあってこその映画だと、その時につくづく思いました (^^)
しゅー
2006年07月22日 02:28
みのりさん,お久しぶりです♪
>オードリーの表情が豊かと・・・
表情のある,明るい女優という印象を持っています(^^);
あと,動きの機敏な人だと・・・
彼女はコメディアンヌであり,チャップリンの真似をさせたら面白かっただろうな~と思います♪

シモーヌ・・・
私も観ました!が,しかし,細部は忘れてしまいました(^^);
シモーヌ役の女優さんの目つきはオードリー・ヘプバーンのいたずらっぽい目つきとはだいぶ違いますから,印象は違いますねっ(^o^)
しゅー
2006年07月22日 02:36
七代目さん,こんばんはっ!
>これはまた懐かしい作品で。
当初の目論見としては,こういう懐かしい映画と新しい映画とを半々ぐらいにメモできたらよいな~と思っていたのです.
でも,古い映画はなかなかメモできないですね~(^^);

>残念ながら劇場では観たことがありません
劇場で観ましたよ~えっへん♪
しゅー
2006年07月22日 02:56
タラララさん,こんばんは!
>自分もこの映画のオードリーにノックアウト
彼女のいたずらっぽい目は,まさに妖精!!
妖精の魔力に魅入られてしまうのでしょうか(・・?)

>永遠の名作・・・
演出(監督),脚本&俳優
ウィリアム・ワイラー&ダルトン・トランボのベクトルが一致した結果なのだと思います.
それにしても,ウィリアム・ワイラーって,どんなタイプの映画でも撮れる監督さんですね~♪
しゅー
2006年07月22日 03:08
アリスさん,こんばんは!
>あのヴェスパ・・・
“ヴェスパ”が判らなくて,ネットで調べちゃいました!
アン&ジョーとが二人乗りしたスクーターが“ヴェスパ”だったのですねっ♪
何色だったのですか?

>リメイク版は登場するのでしょうか
完成度が高いため,この作品を超えるのは難しいので,なかなかリメイクの企画は出にくいだろうと思います.
リメイク版ができたとして,オリジナルを超えられるのは,おそらく音楽だけでしょう(^o^)
しゅー
2006年07月22日 03:22
>王女役はキャサリン・オクセンバーグという奇麗な女優さん
アン役は,きれいな女優さんっていうだけでは,ダメですよね~
“気品”、“可憐さ”もさることながら,“茶目っ気”がないと・・・

>「ローマの休日」は、オードリーあってこそ・・・
この映画での彼女は演技とは思えないほど楽しそうですから,彼女の真似はできないですよねっ!
アリス
2006年07月22日 16:39
タラララさん こんにちは。

そうですかぁ。リメイク版は存在していたのですね。
ヒロインはやはりオードリーでなくっちゃの感想で
なんだかホッとしました(笑)
「羊たちの沈黙」のジョディ・フォスターさんが好きで
その後のシリーズも観たことがあるんですが
ヒロインが彼女ではないんですね。
映画で受けるイメージって凄いなって思いました(*^_^*)

しゅーさん

ヴェスパはVESPA 125(エグレ)というタイプなんですけど
カラーは分かりましぇん・・
愛知万博の時にイタリア館でも展示していたそうですが
国旗の3色だったそうで
撮影に使われたものは展示会を観に行かれた方のみぞ知る・・でしょうか(苦笑)
モノクロでイメージするのはモスグリーンかシャンパンゴールドを
勝手に想像してるんですよ(笑)
しゅー
2006年07月23日 01:13
アリスさん,こんばんは!
>モノクロでイメージするのはモスグリーンかシャンパンゴールド
素敵な色ですね.想像しながら思わず納得です♪

この映画がカラーだったらな~(^o^)
nanika
2006年07月23日 17:11
皆さんおっしゃるように、傑作、そして名作ですね。
私の中では、あんなに可愛らしい女優さんは古今東西観たことがない。そう断言できるほどです。
チョット前、DVDが500円程度で販売されていたのを迷った末に買い損ねました。今では著作権期限の裁判沙汰で出回っていないですね。凄く後悔しています。
次の機会があったら、その時は絶対購入!
みのり
2006年07月23日 21:54
しゅーさん、この作品カラーも良いかもしれませんが、やっぱりモノクロームの方がよいのでは。 モノクロームのほうが豊かな色彩を感じさせてくれるような気がするのです。  
しゅー
2006年07月24日 00:02
Nanikaさん,お久しぶり!
>著作権期限の裁判沙汰で出回っていないですね.
そうですね~,著作権が50年から70年に延長されましたから,500円DVDはかなり減るでしょうねっ!
裁判沙汰になるまで,欧米の著作権も50年だと思っていました・・・小さな声で

「ローマの休日」はデジタル・マスター版がでていて,500円版と比較すると画質が雲泥の違いのようですよ(^o^)
しゅー
2006年07月24日 00:06
みのりさん,こんばんは!
この映画が製作された当時は,カラーとモノクロが混在していた時代.
そこで,敢えてワイラーはモノクロを選んだわけですから,みのりさんのいうとおりかもしれませんね~♪
mick
2006年07月25日 10:29
おおー!!ヘプバーンのローマの休日ではないか・・・・
スクリーンの妖精は永遠なのです。
しゅーさんのヘプバーン特集?に刺激されて、一連の作品を時間があれば、数ある映画ビデオ(マニアックなのしかないが)の中から、ヘプバーンの作品を探し出して・・・ちゃんと整理してないのです。
観ております。この「ローマの休日」は何回みても、いいですね。
アン王女最高・・・華奢でキュートで、笑顔がたまらん・・・・
エピソードはたくさんあるけど、美容院で、髪をカットしたときとかは、ドキッとしましたね。ヘプバーンカットですね。
バイクとばしたり、真実の口での手をいるシーンで本気で驚いたり・・
可愛い可愛いオードリー・ヘプバーンの魅力がいっぱいですね。
このオードリーはアンネ・フランクと同じ年なんですね。
そんなこともあり、第二次大戦中はデジスタンス運動に従事してたことは有名な話ですよね。
オードリーが、天使になってからもう13年もたつのか・・・・

しゅー
2006年07月25日 13:07
ミックさん,いらっしゃいまし~♪
彼女はアンネ・フランクと歳が同じばかりでなく境遇もかなり似ているようですね.
10代という夢多き年代に,ナチスがオランダを占領し,彼女は強制収容所に収容された.
でも,彼女は運よく逃げ出すことが出来,終戦まで1年近くは暗くて狭い部屋に隠れて生活していた.
もし,脱走することができなければ,アンネ・フランクと同じ運命をたどったかもしれない・・・

だから,この映画の彼女は今の自分の境遇に幸せを感じ,そのよろこびがからだ全体から湧き出していたのかもしれませんねっ(^o^)
2006年07月27日 08:14
しゅーさん おはようございます
「ローマの休日」をいつ見たのか考えてました・・
中学の時 初恋の女性が「マイフェアレディ」がすごく好きだと言うので
その影響で封切りで見ました(笑) その後に見たんですが・・
そのイメージが残っていて見たので なんだか若いヘッブ・バーン!マイフェアレディの方が良いと思ってました(笑)
それから再度、ビデオデッキが出たくらいのとき NHKで再放送!
録画してみると これが新鮮!!(笑)

順番を間違って見たと思いましたよ(笑)

べスパ・・ちょうどこの頃に ホンダが真似をして「タクト」を出したんじゃなかったかな? 原付が一気に増えたのはこれが原因かな?

DVDの著作権でアメリカはなにやら言ってますが
380円で日本橋で売ってましたよ(笑)
70年も著作権・・長いと思うなあ~(笑)
しゅー
2006年07月28日 01:58
テスさん,こんばんは!
「マイフェアレディ」のオードリー・ヘップバーンは,素敵なコメディアンヌ.
でも,「ローマの休日」では,彼女の素の部分がスクリーン全体にあふれ出ている・・・
だから,以降の作品にはない魅力を感じます(^^)v

>380円で日本橋で売ってましたよ(笑)
ちょっと安すぎませんか(・・?)
バナナの叩き売りみたいで,”永遠の妖精”がかわいそう(^^);
2006年07月29日 08:24
しゅーさん おはようございます
380円で売ってるのは プリントが悪く字幕もよくないそうです!
パラマウントが出してる デジタルニューマスター版はやはりキレイです!・・当たり前か(笑)

彼女の影響って凄いと思いますね あの頃は純情でしたもん(笑)
映画館も子供同士で行くのは禁止でしたよ
中学生の時友人と内緒ではじめて見た映画が「ハタリ」です

1954年は 日本でも「七人の侍」「24の瞳」と素晴らしい映画がありますよね ハリウッドは赤狩りの真っ最中だったんですね
ダルトン・トランボ(ジョニーは戦場に行った)が脚本を書いてたとは
今、先ほど知りました・・ネットって便利です(笑)
しゅー
2006年07月29日 19:30
テスさん,こんばんは!
>今、先ほど知りました・・ネットって便利です(笑)
そうですか・・・(^^);
できれば,この記事を読んで知ってもらいたかったな~
う~ん,残念・・・小さな声で(^o^)

>中学生の時友人と内緒ではじめて見た映画が「ハタリ」です
はい!この映画もハワード・ホークス監督作品ですねっ.
そして,私の好きなジョン・ウェイン主演・・・♪
でも,自分は劇場では観られませんでした.
さすがに2歳では親に内緒は無理でした・・・(^o^)

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